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二十二 ページ24

Aside


人混みを何とか掻き分けて、駅前に着いた。
駅もオシャレですやん。
電車が五分に一本来ると言っても、部活には遅れられないので、早く駅舎に入ろうと歩を進める。
途中、大量のコインロッカーの傍で

「はーあ…何で私という美人を放っておくのかしら…」

と、聞き慣れた声がした。

「あら、貴方…もしかして、A?」

そう名前を呼ばれて、顔を向けると懐かしい顔があった。

「野薔薇……?」

中学時代の級友、野薔薇がいた。
野薔薇に駆け寄って来る。

「久しぶりね。中二以来かしら」


私は中学校二年生の時に長野に転校したっきり、地元の友達と会う機会が全く無かったのだ。
樂と由奈は言う所の"幼馴染"というものだが、二人ともその時別れた。


「野薔薇もこっちの高校来てたの?!」

「そうよ。てか、Aの体育着可愛いわね」

「いいでしょ〜野薔薇の制服もいいじゃん。どこ校?」

「宗教系の学校。可愛く無いわよ。見てよコレ、烏みたいに真っ黒」

「えー、かっこいいじゃん」

「何処がよ!」

野薔薇がそういった時、

「釘崎ィ!早くしろよー!」

と催促の声が遠くからかかった。

「じゃ、私行くわね。皆待ってるし」

と、野薔薇の視線が移動する。
それに釣られて私も顔を動かす。

少し遠くの方に、男の人が三人立っていた。

目隠しした人と、
髪がギザギザした眠たそうな人と、
ピンクの髪の元気そうな人。

どうやら、ピンクの髪の人が呼んだらしい。

その人が、ゆっくりとこちらを見る。



__今、目が合っ____



刹那、落雷に撃たれたような、電流が身体を駆け巡るような、そんな感覚に陥った。

全ての動きが、ゆっくりになって。
周りの人がぼやけて。
その人しか、目に入らなくなって。
もう二度と、離してはいけない様な気になって、



涙が溢れ出てくる。




___やっと、逢えた___



私の何処か。
心の底か、本能か、単なる感情か。

とにかく嬉しい。
嬉しくて、幸せで、安堵した様な気持ちになった。
あの人と会ったことは多分無いのだけれど、何故か安心する。



「ちょ、Aどうしたのよ?!」


野薔薇の心配する声も私の耳には入らなかった。




そして、


あの人の頬の傷と、


目が会った気がした。






___________

_____




もし、来世で宿儺さんと出会えたなら、












私は、もう一度貴方を好きになります

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うゆに塩湖(プロフ) - あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします! (2023年1月1日 18時) (レス) id: 438eeb11ca (このIDを非表示/違反報告)
うゆに塩湖(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます! (2022年12月7日 19時) (レス) id: 438eeb11ca (このIDを非表示/違反報告)
-  ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2022年12月7日 18時) (レス) @page44 id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
うゆに塩湖(プロフ) - 言い訳−宿儺って死後に呪いなったの今気づきました。…でもいいよね、夢小説だし……。ね?ね?? (2022年11月27日 22時) (レス) id: 438eeb11ca (このIDを非表示/違反報告)
うゆに塩湖(プロフ) - Ashleyさん» コメントありがとうございます。ワクワクしながら読んで下さることが、本望です。更新頑張ります! (2022年8月31日 12時) (レス) id: 438eeb11ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うゆに塩湖 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2022年4月10日 16時

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