【d!】君は冷たい【kn】 (ページ27)

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君は冷たい27 ページ27

とうとうやってきた日曜日、あの日から少しお互いぎこちなくて、距離もあいちゃってたけど…今日応えなければいけない、告白の返事はまだ少し迷っている。

『(あぁぁ…緊張する…相手もうちと同じく強豪校、気を抜けない…)』

「先輩、怖い顔してますよ。いつもみたいに気の抜けた顔しとってください」

『あいたっ…！』

「ははっ、いつものAさんや。そんじゃ、行ってくるんで、ちゃんと選手のこと…コネシマさんの事見ててあげてくださいね」

『う、うん…』

しょっぴくんにデコピンされてすこしひりつく額を撫でながら彼に手を振ってコートへ向かう彼の背中を見つめる。そうだよね、私はマネージャーだ、みんなの怪我を手当して、皆の補佐をするのが私の役目なのに、辛気臭い顔して、周りに迷惑をかけることだけはしちゃだめだ。

それに、今日はコネシマくんへのおもいも言わなきゃいけないし、こんな顔で、態度で、真剣な彼に向き合うのは最低だ

『みんな、がんばれ…！』

小さくそう呟いて、顧問の隣に座れば、試合開始のホイッスルが大きく鳴り響く

『(皆なら、大丈夫…)』

ぎゅっ、と強くお守りを握りしめて胸に当てる。

なんだか心が落ち着いて、冷静になれる気がして、試合の時にはいつもこうしている。そのせいか、少しほつれてボロボロになってしまったけど、それでも、変える気はない

頭を上げれば、視界いっぱいにお互いボールを守って奪って、泥だらけになりながら、汗を流しながら、息を切らしながら攻防戦を広げている選手達、どちらも引けを取らず、顔を顰めながらも追いかけて、囲んで取り合って、たまに転けたり体当りされている姿を見るのは少し怖いけど、それでもみんな純粋にサッカーというスポーツを愛しているから真剣な顔をしている彼らを見るのがすごく好きだ。

『(お互い譲らない…みんな、頑張って…)』

応援する事しかできないけど、でも、この場所で、みんなが少しでも気が楽になれるような空間を作れるように、しておきたい