52話 ページ8
受付のお兄さんの話によると……
今日の20:20にこの博物館に展示されている宝石を盗むと、キッドから予告状が届いたそうだ。
だったら人は少ない方がいいのでは?と提案してみるが
刑事さん──恐らく中森警部だろうが、その人が「客を出すな」と言っているから、出せないのだそうだ。
何で出れないのかは、受付のお兄さんより中森警部に聞いた方が早いだろう
そう判断した私はお兄さんに「ありがとうございました」とお礼を言って、館内へと戻った。
中をうろうろして、ようやく中森警部を見つけた。
「あ、すみませーん、刑事さん」
「ん?何だ?」
くるりとこちらを向いた彼は、眉間にシワを寄せていた。
おぉ……迫力あるなぁ
「どうして外に出られないんです?キッドが来るのなら、人は少ない方がいいのでは……」
「はぁ?何だアンタ、キッドの予告状を見てないのか」
「はい。別に目立ちたがりのこそ泥に、興味がない、ので……っ!?」
その言葉を聞いた中森警部は、目を輝かせながら私の肩を勢い良く掴んだ。
えっなになんなの??
「そーかそーか!アンタはキッドに興味がないのか!見る目があるなぁ!」
あ、そうか
ここにいるお客さんはみんなキッドのファンだから、キッド確保に燃えている中森警部からしたら面白くないのか
なる程なーと納得していると、彼は懐からビニール袋に入った予告状を見せてくれた。
「これがその予告状なんだが、最後の方にP.S.って書いてあるだろう?」
ビニールに入っているとは言え、素手で触るのはマズいかと判断し、予告状に顔を近付けた。
何々?
『P.S.今宵の宝石は恥ずかしがり屋なので、ギャラリーは少なめでお願いします』
はは……ホントキザだなこいつ
苦笑いしつつ、中森警部にお礼を言う。
「ありがとうございます。では、刑事さんはこの言葉を逆手に取って、人を多くしているワケなんですね」
「おう、その通りだ!何だアンタ、鋭いな」
「あ、私こう言う者です」
財布から名刺を取り出して、彼に差し出す。
中森警部は「おぉ、どうも」と受け取ってくれた。
「私立探偵の黒崎A、ねぇ。この町は本当に探偵が多いな……ワシは中森だ」
「はい、よろしくお願いします!そうですね。有名な毛利さんもいらっしゃいますし」
「ハン、あのおっさんよりはマシだろ。じゃ、見る目がある探偵さんに1つ相談が……」
ちょいちょいと、手招きする中森警部。
?何だろうか
疑問に思いつつ彼の方へ耳を傾けた。
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糸目らぶ - 続き気になります、いつか更新されるのを楽しみにしてます。面白い! (2021年3月5日 17時) (レス) id: a7df1b26d8 (このIDを非表示/違反報告)
恋花雪(プロフ) - 初コメ失礼します!続きがとても気になる小説ですね…!いつまでも更新全裸待機してます! (2020年11月23日 18時) (レス) id: 1308cc484f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2020年4月29日 17時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
小説ワンコ(プロフ) - とても面白いです。更新頑張ってください。 (2019年8月14日 15時) (レス) id: 14f0588910 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 続き楽しみにしてますこれからも頑張ってください!! (2019年5月15日 17時) (レス) id: 9d28606b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宮野 | 作成日時:2018年5月22日 23時