58話 ページ14
side〜コナン〜
くそ、どうすっか
梓さんが人質になっていて、犯人を取り押さえようにも、殺気立っていてスキがない
オマケに今日に限って腕時計型麻酔銃をつけてねーし……Aさんの言った通り、バッドタイミングだ
だが、キック力増強シューズとベルトは何時も通りつけているから一瞬でいい、彼が何かに気を取られてくれたら──
なんて考えていた時
カランカラン、ポアロの入口に設置されているベルが音を立てた。
っ、こんな時に人が!?マズい、男を刺激しねーといいけど……!
店内にいた全員の視線が扉へと向かいかけた瞬間
「あなた、もう止めてっ!!」
高くて綺麗な女性の声が、店内に響いた。
今ポアロの中にいるのはオレと安室さん、Aさんに梓さんと目出し帽の男だけだ。
誰の声だ?
困惑するオレをよそに、目出し帽の男は驚いたような声を上げる。
「!!雪っ!?何でここ「ンなワケねーだろバァカ!!」っ!?うぐっ」
「え!?」「なっ」
気付けばAさんが、犯人の男に華麗な跳び蹴りを喰らわせていた。
オレと安室さんの口から同時にマヌケな声が上がったが、それ所じゃない
にこにこ笑顔(だけど怖い雰囲気を出している)Aさんが犯人に声をかけた。
先ほどと同じ、高い綺麗な声で、だ。
「ダメよ、あなた。奥方の声が聞こえたからって、気を抜いちゃ♡」
「はっ、えぇ!?A姉ちゃん、だよね?」
「はーい、黒崎Aでーす……どう?ビックリした?」
急に何時も通りの声に戻るAさん。
??何がどうなって?
「び、ビックリも何も……え?ま、まだ頭が追いついてないんだけど」
混乱しているオレの横から、妙に落ち着いた声で安室さんが彼女に話しかけた。
「……Aさんは声色を変えるのが得意、と言う認識でよろしいですか?」
「えぇ、その認識でよろしいですよ……梓さん、大丈夫ですか?お怪我は?」
「な、無いです……っ!怖かったぁぁぁ!」
手際よく犯人を確保して、梓さんを抱き止めたAさんの様子を見てホッとしていたのだが、安室さんの方へ顔を向けて思わず固まる。
彼が怖い顔をして、Aさんの方を見つめていたからだ。
まるで、獲物を狙う獣のような瞳だった。それを、Aさんに向けている。
彼が本格的に『公安』の人間として彼女に目を付けたのだと容易に想像できた。
FBIに目を付けられ、公安にも目を付けられた……
ガンバレ、Aさん……
心の中でそっと彼女にエールを送った。
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糸目らぶ - 続き気になります、いつか更新されるのを楽しみにしてます。面白い! (2021年3月5日 17時) (レス) id: a7df1b26d8 (このIDを非表示/違反報告)
恋花雪(プロフ) - 初コメ失礼します!続きがとても気になる小説ですね…!いつまでも更新全裸待機してます! (2020年11月23日 18時) (レス) id: 1308cc484f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2020年4月29日 17時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
小説ワンコ(プロフ) - とても面白いです。更新頑張ってください。 (2019年8月14日 15時) (レス) id: 14f0588910 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 続き楽しみにしてますこれからも頑張ってください!! (2019年5月15日 17時) (レス) id: 9d28606b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宮野 | 作成日時:2018年5月22日 23時