57話 ページ13
静かに入れないのかと、入口に視線を向けて、思わず固まる。
隣のコナン君もフリーズしている。
2人共固まった理由。それは──
目出し帽を被った男が、ナイフ片手に入店してきて、お客さんの対応しようと入口に近付いていた梓さんを人質に取ったからである。
えっ、えぇ〜〜〜〜(困惑
マジかよ……コナン君といると事件に遭遇しまくりじゃねーか。
心の中でうんざりしていると、目出し帽の男が声を上げた。
「動くな!少しでも動いたら、この女刺すぞ!!」
「ひゃ」
幸いな事に店内には、私とコナン君、透さんしかいなかった。
いや幸いって言っていいのか分かんねーけど
つか梓さんにナイフ向けるとか絶許!貴様のその行動、万死に値する!!テメー覚悟しとけよな(♯^ω^)
腹の中で怒りつつ、取りあえず私は両手を上げる。
コナン君と透さんもそれに続いて手を上げた。
男はナイフを梓さんの目の前から離して、振って指示を出す。
「色黒のお前、店員だろ。金を出して、こん中に入れろ」
「……はい、分かりました」
透さんは上げていた手を下ろして、レジへ向かいお金を出し始める。
小銭の音に紛れて、私はコナン君に声をかけた。
「……子供にこんな事聞くのアレだけど、何か出来ないかな。無理?」
「……何時もなら『腕時計型麻酔銃』って言う麻酔針を飛ばせる時計をつけてるんだけど、今日に限ってつけてないんだ……クソッ、博士ん家に寄るんじゃなかったぜ」
oh……マジですかよ
てか
「マジかー……バッドタイミングだな」
「ホントだよ……」
コナン君と目を合わせ、どうする?と悩んでいた時、着信音が鳴り響いた。
どうやら目出し帽の男の携帯が鳴っていたようだ。彼は画面を見て舌打ちをした後、電話に出た。
「何だよ、電話してくるなって言っただろ!」
『ごめ、なさ……でも、あ……様……たから』
耳を澄ますと、通話の相手は女性なのだろうか。途切れ途切れに高い、綺麗な声が聞こえてきた。
『あな……な、っ考え……!やめ、ケホ……ッ』
「うっ、五月蝿い!お前は気にするな、俺が何とか、何とかするから……だからっ」
あー……
何となく、彼の事情は察した。
しかし、だからと言って梓さんを人質にしてポアロの売上金を盗っていい理由にはならない。
んー……目出し帽の彼にもこれ以上罪を重ねて欲しくないし
……こうなったら荒技でいきますか。
3024人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
糸目らぶ - 続き気になります、いつか更新されるのを楽しみにしてます。面白い! (2021年3月5日 17時) (レス) id: a7df1b26d8 (このIDを非表示/違反報告)
恋花雪(プロフ) - 初コメ失礼します!続きがとても気になる小説ですね…!いつまでも更新全裸待機してます! (2020年11月23日 18時) (レス) id: 1308cc484f (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2020年4月29日 17時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
小説ワンコ(プロフ) - とても面白いです。更新頑張ってください。 (2019年8月14日 15時) (レス) id: 14f0588910 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 続き楽しみにしてますこれからも頑張ってください!! (2019年5月15日 17時) (レス) id: 9d28606b1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宮野 | 作成日時:2018年5月22日 23時