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謝りたくない。そんな約束したくない。
けれどここでこの人の言うことを聞かなかったらこの後私はどうなるんだろう。これでも女の子だし、これ以上顔や体に傷を作りたくない。ましてやこんなところで、この人に殺されて人生を終えるなんて嫌だ。そんな結末あんまりだ。
私にだって将来それなりにやりたいことがある。
中学では部活に入らなかったから高校では何かしらの部活をやってみたい。空いた時間にはバイトだってやってみたい。そこで学校は違うけどよくシフトが被る男の子と仲良くなったりして、デートを重ねて付き合ったりするのも素敵かもしれない。大学ではサークルに入ってサークル仲間と夜遅くまでお酒を飲んでみたいし、就職したら毎日クタクタになるまで残業して、けれどしっかり功績を作って上司に褒められたい。いつか人生を添い遂げる相手を見つけた時には、たくさんダイエットしてエステなんか通ったりして、今までで一番綺麗な姿でウェディングドレスを着てお父さんの横を歩きたい。自分が二人姉妹だからなんとなく子供は二人以上欲しいし、子供が成人して家を出た後は旦那さんと二人仲良く老後を楽しみたい。おじいちゃんおばあちゃんになっても手を繋いで歩けるそんな理想が私にはある。
だからこんなところでこの男に殺されるなんてまっぴらごめんだ。けれど彼の言う通りにしたところで、私の理想の未来には届かないような気がした。
頭の中がごちゃごちゃでどうしたらいいかわからなかった。目からは我慢していた涙がとめどなく流れた。けれどこの人にはそんなこと関係ないようで「あ、泣いた。いいね、そのまま謝れば許してやる」そう言って笑っていた。
こんな人、一瞬でも彼氏と思った自分が恥ずかしい。
…やっぱり、こんな人と付き合っていくなんて死んでも嫌だ。それなら私の答えは1つだ。
「……あんた、なんかと付き合っていくくらいなら、死んだ方が、マシ」
「テメェ!」
私の言葉は彼の最大限の怒りを簡単に引き出した。お腹を蹴られまだうずくまってる私の胸ぐらを掴んだまま強い力で私のことを立たせると彼は右腕を思いっきり後ろに引いた。
殴られる
そう思った時だった。
「雨宮ぁああ!!!」
聞き覚えのある声が聞こえた。こんな状況なのに何故だかその声に安心感を覚える。
駿の振りかぶった腕はその声で止まり予測していた衝撃はこなかった。
彼のあんな顔を見たのは初めてだった。
怒りをあらわにした三谷くんがそこにはいた。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました!他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です! (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年8月2日 2時