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「本当に貰っていいのかな？」
佐野が「コレにしろ！コレが一番美味い！」と勝手にチョイスしたどら焼きが1つ私の手の中にはあった。私にどら焼きを持たせると我が物顔でお店の奥の住居部分に佐野は入っていく。乱雑に脱がれた佐野のビーチサンダルを整えながら中に入らせてもらうと、 「適当にくつろげよ」なんて偉そうにあぐらをかきながら佐野は言った。
「アンタ…一応客人なんだからもう少し遠慮っていうものを」
「何で？」
「何でじゃないよ！ここは佐野の家じゃないんだから」
「うるさい奴だな。オレと爺さんは
「…アンタは親しき仲にも礼儀ありって言葉、わかる？」
佐野は「さぁ」と言いながら1つ目のたい焼きを全て口に含んだ。なんて図々しい奴…。
「お前1個で足りるの？」
「…私はアンタみたいに神経図太くない」
「Aは大食いなんだからそれじゃ足りなくね？」
「別に私は大食いじゃない！」
「そんな急にかまととぶったって可愛くねぇぞ」
「かまととぶってもない！」
「Aは食ってるときしか可愛いくないんだから、遠慮しないで食っとけよ」
そう言って佐野はまたカウンターから何個かどら焼きを取り、私の前のテーブルにどさどさ置いた。
コレはもう完全にどら焼き泥棒だ。
「お前達は仲がいいんだな」
するとそこに飲み物が入ったグラスを2つ持ちお爺さんがやってきた。
「あ、あの…ごめんなさい！コレお金払います！」
「気にしなくていい。いいお嬢さんだな、この小僧には勿体ない」
「爺さん！何それ！ひどくね！？」
「心配しないで下さいお爺さん。コイツとどうこうなる気はないので」
皮肉をたっぷり込めて笑顔で否定をしておく。すると佐野は正座していた私の足を思いっきり抓った。
「いたっ！何すんのよ！」
「Aが悪いんだろ」
「は！？私は事実を言っただけで」
「こらこら喧嘩するんじゃないよ。お嬢さんは名をAというのか」
「あ、はい！申し遅れました。Aです」
「そうか、いい名だな」
「…あれ？爺さんボケたのか？気づかない？」
「は？何言ってんの、佐野」
「爺さん、こいつはAだよ」
「…A？」
「うん。こいつの名前はA」
「え、佐野？何、」
「小僧…Aって…もしやこのお嬢さんが…」
「そうだよ爺さん。こいつがアンタが探してたAAだ」
その佐野の言葉に、お爺さんは目を大きく見開いて私の顔を見た。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
