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「佐野！ねえ、佐野ってば！」
「……」
「ちょっ、ちょっと待って！一旦ストップ…！」
「……」
「あ、あの！本当に！本当に腕が痛い！そんで歩くの、早いから…！」
「……あ…悪ぃ」
結局あれだけ割り勘だと言い張っていた佐野だが、面倒臭くなったのか、さっさと会計を済ませるとまた私の手を取りお店を出てズカズカ歩いて行く。私とそんなに変わらない身長なのに歩幅が大きい佐野に必死についていくが、掴まれてる腕が痛すぎて、それを訴えれば急に立ち止まり案外あっさり離してくれた。そして振り返った。
その顔を見ると…わお、まだ怒っている。
「本っっ当にお前はろくでもねぇな！」
「は！？ろくでもない！？」
「そうだよ！ろくでもねーよ！何でお前は後先考えずに突っ込んでいくんだよ！お前が出る幕じゃねーだろ！」
「だ、だって…店員さん可哀想だったし、女性なのにあんな厳つい人に掴まれてるのみたら…体が勝手に…！」
「お前も女だろ！！」
そう佐野に怒鳴られて、佐野に助けてもらったことを思い出した。私が掴まれそうになった時、佐野はそれを止めに入ってくれて、店内で大騒ぎを起こしてしまったけれど、佐野はただ私を守ろうとしてくれていた。そう思ったら、スーッと佐野に言われた言葉が胸に染み渡る。
「…確かに、私が出る幕では、なかったかも…」
「かもじゃねー！出る幕じゃなかったんだよ」
「…うーー、それはごめん…」
「何でお前はそうなの？あん時だってそうだ…オレはお前を止めたのに、お前はズカズカ川ん中入って行くし！」
「え？…か、川？」
「お前が路地裏であいつに捕まったときも、オレが殴ろうとしたら間割って入ってくるし！」
「え、ちょっと、待って！なに？？何の話！？」
「マジで何なんだよお前は！」
バーッと言いたいことを、次から次へと言ってくる佐野だが正直私の頭には全然入ってこない。
川ん中？川ん中ってなんだ？？
「ちょっと待ってよ、佐野！私理解できてない！川ん中？川ん中ってなに？」
「あ…」
「駿の時のやつはわかるよ？けど川ん中って？」
そういうと佐野は私から視線を逸らして口を抑えた。
「え、待って…もしかして私とどこかで会ったことある？」
「……」
「あの公園が初めてじゃないの？」
そう佐野に問いかけた時、エリカの言葉を思い出した。
『初めて会った時あんたのこと知ってたわけじゃん？じゃああんたが忘れてただけで実は初対面じゃないんじゃない？』
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
