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「この女に何の用？」
「あ？誰だてめぇは」
「オレが誰とかどうでもいいよ。この女に何の用かって聞いてんだよ」
「こんな小便臭いガキに用なんかねぇよ！ただ、目上の者に対しての口の利き方がなってねぇから教えてやろうと思ってな」
「口の利き方がなってねぇのはテメェもだろ」
「…おい、調子乗んのも大概にしとけやクソチビ。てめぇも殺されてぇのか？…それと、さっきから何掴んでやがる。いい加減離せコラ」
「…何？オレと殺る？別にいいよ。ただこの女に指一本でも触れたら…お前のこと殺すよ？」
そう言って佐野はまた笑った。いや笑ってるけど目が笑っていない。怖い表情だった。理由はわからないけれど佐野のこの表情を見ると胸騒ぎがする。何故だか私の身体中には警報が鳴り響き、危険だと何かが叫んでいた。何が危険なのかもわからない。けれどさっきまでくだらないことを言い合っていた佐野とはまるで別人で、やばいと思った。
佐野が掴んでいたお兄さんの腕を捻り上げるとお兄さんは呻き声を上げ必死に佐野の掴む手から逃れようとした。けれど、佐野の力がこもった手は中々離そうとはしなかった。
「さ、佐野！！ダメ！ダメだよ！暴力はダメ！」
「は？こんなの暴力じゃねぇじゃん」
「っ、いや、ダメだって！佐野が手を出したら！」
「先にお前に手を出そうとしたのはコイツだろ」
「私は大丈夫だよっ！出されてない！大丈夫だから！とにかく手離して…！」
今にも殴りかかりそうな勢いの佐野を止めるため、佐野の手を掴んで2人を引き剥がそうとした。けれどこの華奢な体のどこにそんな力があるのかと疑いたくなるくらい佐野の力は強くて私が両手で必死に離れさせようとしても離れない。佐野が力を込めるたびにお兄さんの呻き声は店内に響き渡った。
するとバタバタと男性の店員さんが２人こちらに走ってやってきた。「お客様！落ち着いてください」そう言いながら2人がかりで佐野を押さえてくれる。そんな状況でも佐野の顔つきは変わらず「テメェらがさっさと来ねーからこうなってんだろ」と一喝。
「佐野！もう店員さん来たし私たちは帰ろう！ね、お願い帰ろう！」
必死に何度も佐野にそう懇願すれば、ようやく小さく舌打ちをした佐野は手を離してくれた。そして私の手を掴み、引っ張るようにして自分の席から伝票と私の鞄を手に取るとお会計まで進んでいく。
あ…まだハンバーグが残ってるのに！と思ったけれど、さすがにそれを言う雰囲気ではなかった。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
