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佐野とブラブラ歩いている途中、「腹減った」そう言って彼は適当にファミレスに入った。特に私に「何が食べたい？」と聞くわけでもなく、スタスタ歩いて勝手に店に入る佐野。これのどこをどうみたら"デート"と言えるのだろうか。そんな疑問が頭に浮かぶも、特に意見がある訳でもないので黙って着いていった。
「はい、早く決めて」
「…まだ座って1分も経ってないんですけど」
「だってオレはもう決まってるもん」
「え？何頼むの？」
「お子様ランチ」
「は？」
「お子様ランチ」
「…何？どう言う冗談？」
「冗談じゃねーよ。オレはファミレスに入ったらお子様ランチって決まってんの」
至って真顔で"お子様ランチ"を連呼する佐野。どうやら彼は本気のようだ。
「ねぇ、ここ。ここに小さくお子様ランチは小学生以下のお客様に限りますって書いてあるのわかる？」
「うん」
「あんた小学生？」
「中3」
「だよね？そうだよね。それならコレは頼めないのよ。コレを頼む権利あんたにはないの。おわかり？」
「全っ然わかんねぇ」
ドーンと効果音がつきそうなくらい偉そうに踏ん反り返って佐野は言った。明らかに小学生のナリじゃないのにお子様ランチなんかを注文をする…そんなやつと一緒にいるこっちの身にもなれ。と言いたい所をグッと堪えてため息で誤魔化した。すると佐野はムッとした顔をして「オレは食べたいものを食べるんだ。お子様ランチ以外の選択肢はない！…てかお前文句ばっかで決めるの遅いんだよ！もう呼ぶからな」早口にそう言った佐野は強制的に呼び鈴を鳴らし店員を呼んだ。
「あ！まだ決まってないのに！」
「Aもお子様ランチでいいじゃん」
「よくない！私はそんなこと恥ずかしくてできない！」
そんな私の抵抗虚しく、佐野は「お子様ランチ2つ！」と店員さんに勝手に注文した。もちろん店員さんは明らかに小学生じゃない私たちを見て、は？という表情を浮かべている。気持ちはわかる。そんな堂々と中学生がお子様ランチを頼むなよって思いますよね…。「あの…お子様ランチは小学生以下の…」なんて予想通りの断り方をする店員さんに対して一歩も譲らない佐野はお子様ランチを再び連呼した。しばらくしてから折れたのは店員さんの方だった。
「…確認して参ります」
「本当にすいません…」
ぺこっと店員さんに頭を下げる私に対し目の前に座るのは、満足そうな笑顔の佐野だった。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
