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「…ぃ！おい！起きろバカ！！」
「っ〜いたっ」
「着いたぞ、さっさと降りろ」
ヘルメット越しに頭を叩かれて目を開けた。どうやら私は佐野にしがみついたまま眠ってしまっていたようで、なんとそのまま目的地に到着したらしい。
「あんだけオレの運転は安全じゃないだの文句言っといて普通寝るか？バイクの後ろに乗って居眠りする奴なんて普通いねーぞ！」
「…いや〜ハハハ、それは面目ない。なんか風が気持ちよくて」
「ったく、帰りも居眠りなんかしたら容赦なく振り落とすからな」
「…はい、肝に銘じておきます」
やべ、本当に命拾いした。今度寝たら本気で振り落とされそう。こわいこわい。佐野にもう一度軽めに謝りながらヘルメットを返す。すると、佐野はヘルメットの紐を肩にかけて「ん」と両手を広げてこちらに差し出してきた。ん？
「ん？」
「ん」
「…へ？んって何？」
「何？じゃねーよ、ホラ」
「いや、ホラじゃわかんねーよ。何！？」
「…なんでわかんねーんだよ。一回で分かれよ！手だよ！下ろしてやるっつってんの！どーせ降りるのはまだ1人じゃ無理だろ」
そう言って佐野は私の片手を無理矢理掴んで引っ張った。その瞬間体がぐらっと揺れて前向きに倒れそうになるも、腰あたりをガシッと掴まれて佐野に抱き止められるような体制になる。
「っ！」
まさかの不意打ちの佐野の顔面ドアップに一気に顔に熱が集中する。バッと勢いよく目の前にあった佐野の胸板を押して距離を取った。下ろしてもらったくせにそんな態度を取る私に不服なのか佐野は怪訝そうな顔を浮かべて口を開く。
「何なの、お前のその態度」
「いや、ちちち違うあの、」
「何が違うんだよ…って、え？何？まさか照れてんの？」
「ち、違うってば！何で私が照れんのよ！」
「え？マジで？マジで照れてんの？ヤッター！Aってば可愛いー」
「バカにしてんのか！！！」
全部こいつやエリカのせいだ。先日ファミレスでこいつに会った時、エリカが余計なことを言わなければ、こいつが今日のこの日のことを"デート"だと呼ばなければ私はこいつを男の子として意識することはなかった。なのに、抱き止められたときに触れられた手も腰も熱が帯びて体が熱い。何とも思ってなかったのに急激に男と意識した瞬間から私の思春期特有の何かが心の中で暴れ始めたのがわかった。
やばい、やばいって。
暑すぎてマジで倒れそう。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
