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「…頭痛い…」
休日はアラームをかけずにゆっくり起きる。それが私の休日の始まりだ。けれど今日は耳を壊してしまうかのような爆音で目を覚ました。遅刻が多い私にエリカが誕生日にくれた【日本一うるさい目覚まし時計】。そいつのおかげで目覚めはいつも最悪だった。もちろん今日も。
今日は土曜日。あの土曜日だ。
頭が重く身体がだるい。関節痛なんかも感じられて、憂鬱なことってこうも体に出るんだなと思いながらベッドから起き上がる。携帯を開けば新着メールが3件あった。差出人はお母さん、エリカ、メルマガだ。なんとなくお母さんは内容がわかるため、エリカを一番最初に開く。
【佐野とのデート楽しんで♡】
何やら今日は頭痛がひどい。
私の憂鬱な1日が始まった。
「遅い」
「まだ5分しか過ぎてないよ」
「オレは待つのが嫌いなの」
「…デートだから準備に時間かかって遅れた」
「"デート"なんて思ってねーくせに淡々と嘘ついてんじゃねーよ」
私は身支度を済ませるのは早い方だが今日に限って時間がかかってしまった。それはオシャレをしていたわけではなく、ただ佐野との"デート"が憂鬱なせいか、ノロノロと支度をしてしまったためだった。気づけば約束の時間を少し超えていて慌てて外に出ると子供のように頬を膨らませて御立腹の佐野がいた。
「逃げ出さなかっただけいいでしょ」
「いや？バックれたらお前をこの辺一体引き摺り回してやろうと思ってたし、なんならそっちの方が楽しかったかもしれねー」
「おっかないこと言わないで。あんたやっぱ思考回路どうかしてる」
そう言えば佐野は「うるせー」とヘルメットを私の頭に被した。
バイクの後ろに乗るのは今日で3回目。こんな短期間に数回も経験すれば案外その感覚は体内に定着し、もう佐野の手を借りずとも佐野の後ろに乗ることができた。
「もうコレ乗るの抵抗ないの？」
「抵抗はある。だって佐野は無免でしょ」
「おい、まだいう気かそれ」
「多分永久に言うと思う」
「安心しろよ。多分その辺の免許取り立てのやつより普段乗り回してるオレの方が安全だから」
「一番安全じゃない頭を持ってる佐野に言われても…」
「次ムカつくこと言ったら落とすよA」
そう言って佐野は勢いよくバイクを走らせた。落とされるのだけはごめんだ。あんだけ無免を指摘してしまったけど、今この人に逆らったら命はきっとない。
初めて後ろに乗った時と同じように大人しく佐野の腰にしがみついた。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
