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振り返って目に入ったのは中学の制服をきている割りには頭がとにかくド派手な3人組。そしてその先頭にいたのは佐野だった。佐野の後ろには一度見たら忘れない今時珍しい金の辮髪のヤンキー君と、もう見慣れた銀髪の三ツ谷くんがいた。おいおい、お前らの頭だけ異常にカラフルすぎるだろと思いながらも、目を見開いて佐野たちがここにいることに驚きを隠せない私に、佐野は可愛らしくにっこり笑って「A、昨日ぶり」なんて語尾にハートがついているかのような茶目っ気たっぷりな挨拶をした。
「佐野…それに三ツ谷くんも」
「え!?この人が佐野!?あの佐野!?やば、普通にかっこいいじゃん」
「あの佐野ってなに?やっぱオレの話だった?何の話してたのA」
にっこり笑った表情を崩さずに私の肩にそいつは手を置いた。置かれた手を振り払いながら私の頭の中はもう大パニック。
どこからだ。どこからお前は聞いていた。
先程エリカと話していた会話の一語一句を思い出す。別に佐野に聞かれたらまずい話をしてたわけじゃないけど、佐野が私に好意があることを前提とした会話を繰り広げていた(エリカが)せいで、一気に顔面に熱が集中した。恥ずかしい、恥ずかしすぎる。どこから聞いていたかわからないけれど、佐野からすれば、佐野が私を好きかもしれないと彼女に話しているように捉えられたかもしれない。自意識過剰だと思われたのかもしれない。は?何勘違いしてるんだよ。と思ってるかもしれない。実際は自意識過剰でも勘違いをしているわけでもないけれど、彼にそう言うふうに捉えられてしまうのはマジで気まずい!
情けなくも慌てふためいて口から飛び出す言葉が吃ってしまう。
「あ、あ、あんたいつからそこにいたの?」
「ん?Aの友達が、デートがどうのって言い始めたあたりかな?」
それはほぼ最初からじゃねーか。
「ち、違うの!そ、それはこの子が勝手に…」
「勝手じゃないじゃん、だって本当のことでしょ?」
「お願いエリカマジやめて。違うんだってば」
「何が違うのよ」
「だから私たちはデートするわけじゃなくて、ちょっと出かけるだけで」
「それを世間一般ではデートって言うんじゃん。ね、佐野くん」
「違うって!違うのよ!やめてよエリカ!デートじゃないって何度言ったら、」
「するよ」
「………へ?」
「オレはAとデートするよ」
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました!他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です! (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年8月2日 2時