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「…じゃあさ、オレの頼み聞いてくれない?」
「…頼み?」
「そう。それでお礼してよ」
「…あ、うん。それはいいけど何?私お金そんなに持ってないよ」
「馬鹿。オレが金をせびるような男に見えるのかよ」
「そうじゃないけど、私に出来ることなんてたかが知れてるから他に思いつかなかった」
「…ほんっとにお前馬鹿。呆れるほどの馬鹿だな!…そういうことじゃねーよ。はぁ〜今週の土曜何してる?」
「ちょっとバカって言い過、…え?土曜日?…」
「うん。あけて欲しいんだけど」
「……別に特に予定はない、けど…」
「じゃあ朝10時にここに迎えに来る。だからAの1日オレにちょーだい」
「…え?いいけど何で?何するの?」
「別に何もしねーけど。オレはAのこともっと知りたいと思った。だから1日ちょうだい」
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「なにそれ、デートじゃん」
「ちょっと、そんなんじゃないって」
「いやバカ。それデートの誘いだよ」
佐野とのやりとりの一部始終をエリカに話せば、彼女はそれを"デート"だと言った。デートとは好き合ってる同士もしくは、そういう男女仲になりそうな2人が出かける時に使う言葉だ。だとしたら私と佐野がそれに当てはまるわけがない。
「わかんないじゃん。もしかしたら佐野はAの事元々知ってて、Aのことが好きでだから今回助けてくれた。これを口実にあんたとの仲を深めようとしてる。って考えたら辻褄合わない?」
「いやいや、私たちは初対面で、」
「初めて会った時あんたのこと知ってたわけじゃん?じゃああんたが忘れてるだけで実は初対面じゃないんじゃない?」
エリカに言われて思い出す。確かに初めて佐野と会話を交わしたあの日、佐野は私の名前を知っていた。だけど佐野に今まで会ったことのあるという事実は私の記憶を掘り返しても見つからない。色んなことがこの2日間で起きてすっかり忘れてたけど、佐野はなぜ私を知っていたんだろう。
「まあ、後は一目惚れかなんかじゃないの。性格はともかくあんた顔は綺麗なんだし」
「褒めるか貶すかどっちかにしてよ。性格はともかくってどう言う意味よ」
「Aは喋らなきゃモテるってこと」
「それは人格否定じゃん…!」
「だから佐野もあんたのこと知りたいって言ったんじゃない?」
「ん?何?オレの話?」
突如頭の前から降ってきた低い声に反応して後ろを振り返る。
な、なぜここに…。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました!他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です! (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年8月2日 2時