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「っ！テメェ！！！」
「…三ツ谷。待て」
駿が私に飛びかかり首に手を当てたのを見ていた三ツ谷くんがこちらにきてくれようとしたのがわかる。けれど佐野がそんな三ツ谷くんを止める声が聞こえた。
その声に安心して目の前にいる駿の目をしっかり見てから口を開く。
「……好きって言ってくれたの本当に私、嬉しかったんだ」
「…っ、」
「ずっと大事にしてくれてたのわかってる」
「…A……俺…」
「…だからね、今度駿に好きな子ができたときはさ、その子のこと信じてあげてほしいよ」
「っ……」
「暴力はダメ絶対に…。もったいないよ、駿」
「……Aっ…」
「やり直せる」
「俺は、」
「駿なら大丈夫！」
駿は何も言わなかった。黙って私の言葉を聞いていた。心なしか私をみるその瞳が潤んでいるように見えたけれど溢れることはなく彼は唇を噛んでいた。
そして、
「……っ、A！俺は…俺は本当は……今でもっ！」
絞り出すようにそう言ったその後の言葉は続かなかった。聞き返すこともしなかった。聞き返したところで私に言えることは何もないと思ったから。駿の手に力が入っていなかったことがわかっていた私は特に抵抗もしなかったし、黙って目の前の駿の顔と天井を見ていた。しばらくそれだけの時間が続いた後冷たい駿の手は私から離れ行き場を無くしたそれはぶらんと力なく落ちる。
「……っ、もういい、もう…いいから、行けよ」
「……」
「……もうお前の顔なんか見たくねぇ、から」
駿なりの強がりの言葉だった。
「……わかった」
「……A、
今まで…っごめん」
私に跨るようにして膝立ちしていた駿は立ち上がり私に背を向けてそう言った。駿に対しての気持ちはもうないけれど、駿の言った「ごめん」が私たちの関係が終わったことを物語っているかのようであれだけ望んでいたというのにちょっとだけ寂しく心が痛んだ。背を向けてしまったから私には彼の後ろ姿しか見えなくて、彼が今どんな顔しているかなんてわからなかった。だけど、顔を見なくたって彼の口から出た「ごめん」の言葉に嘘なんてないことはわかっていたし、この場を切り抜けるためだけの言葉じゃないこともわかっていた。小さい声で「今まで…ありがとね」それだけを言って私は彼に背を向け三ツ谷くんと佐野の元へと戻っていった。恋といえるかどうかはわからないけれど、私の初めてのそれは意外にもあっけなく終わった。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
