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"無敵のマイキー"
どうやらその異名は本物だったらしい。数え切れないくらいのこの大人数を相手にしたと言うのに、よく見れば最初に駿に連続で殴られた時にできたであろう傷がうっすらと顔にあるだけで、その他は無傷にも近い様子だった。顔に張り付いた血は多分相手の返り血でこの何とものんびりした男と、倒れてる男たちを何度見比べても彼のどこにそんな力があるのかと未だにこの状況を受け入れられなかった。
思わず「あんた化け物？」と口に出てしまった私の言葉を聞いて、佐野は「は？なにそれ失礼じゃん」とむくれた顔を向けてきた。
未だに信じられない。佐野が来るまで地獄のような状況だったし、きっと私がいたせいで三ツ谷くんもやられてしまっていて、どんなことが起きてもこんな風に彼らが倒れる姿なんて想像できなかった。転がるように倒れている赤い服の中に、私服をきた駿の姿をみつけ少し遠い距離からその姿をじっと見つめる。
大丈夫…なのかな。無意識にそう思ってしまった。あんなにひどいことをされたのに、何で私は駿なんかの心配をしているんだろう。だけど、自分の意思とは裏腹に、思わず駿が倒れる方向に勝手に足は進んでしまった。けれど佐野に手を取られたことで立ち止まった。
「…何する気？」
「えっ、あ……」
「お前、同情なんかしてないよな？」
「……まさか」
「この状況でもしまだお前があいつに対して何か気持ちがあるんだとしたら、お前は本当に救いようのない馬鹿だ」
わかってる。同情なんかしてない。
もう駿とは関わり合いたくない。今後学校で会うことがあっても二度と私に近寄らないで欲しい。
だけど…
「…これで解決では、無いと思う…」
そう言った私に佐野は心底呆れた顔を私に向けた。
それでも…
「…少し、話だけしたらダメ…かな？」
馬鹿だと言われても呆れられてもこのまま、"終わり"は、私の中での解決に何もなっていなかった。
私のその言葉を聞いた佐野は、怒ったような顔をしたが三ツ谷くんが佐野の肩を叩き、「Aさんは納得できてねぇんだよ、行かせてやれよ」なんて三ツ谷くんらしい彼の優しさが十分に溢れたことを言ってくれた。
「ありがとう」それだけを言って、未だに私の腕を掴んで離さない佐野の手に自分の手を添えるようにしてその手を離させた。辺りに血が飛び散っている駿の元に向かう足はこれでもかと言うほどに震えていたけどきちんと終わらせないときっと私は前に進めない。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
