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1回目、佐野にどうしたいかと聞かれた時、心の中にあった答えは1つで、今思えばその回答が佐野を怒らせたんだったっけ…とどこか他人事のように思い出していた。昨日時点の私の回答は、"佐野や三ツ谷くんを巻き込みたくない。だから何もしないでくれ"だった。それによって佐野は怒り、私を置き去りにすると言う挙行に走ったわけだけど。そして全く同じ質問を投げかけられてる今、私の回答はというと…それは言葉にはできないものだった。できないと言うよりしたくないと言うのが正しいように思う。

何度もこの人は言っていた、私を助けてくれると。だからきっと私が今この場で彼にその一言さえ言えればきっと彼は三ツ谷くんのようにこの場をどうにかしようとしてくれるのかもしれない。だけどどうにかしてくれようとはするかもしれないけれど、どうにかできるかどうかは別問題だ。
私が「助けて」なんて言ったばっかりに、この人も三ツ谷くんと同じようになったら?
無敵のマイキーと呼ばれてるらしいけど、暴走族の総長で多分喧嘩も強いっぽいけど、この人数相手に勝てるとしたらそれはもう化け物だ、人間としては認められない。
そう人間の、ただの少年の彼が勝てるはずがないんだ。それならば最小限の被害で終える方を優先して考えたほうがいいのではないかと思う。その方法があるとするならば…やっぱり私がこれからも駿の隣にいることを約束すること、それ以外なかった。佐野に遮られたせいで最後まで言葉は続かなかったけれど、あの言葉をもう一度言うだけで彼も三ツ谷くんも何の被害も受けないかもしれない。それなら…




やっぱり私は可愛くない。
漫画のヒロインのように、助けてと可愛く縋ることなんて出来ない。

 
私の今の頭の中にあるこの回答を聞いたらまたこの人は…

怒ってしまうのだろうか。




「…やめた」


「っえ、」


「お前にどうしたいかなんて聞いたらさ、きっとまた面倒くせーこというんだよな」


「…っ面倒くさいって、」


「お前の意見なんか聞いてたら一生話が進まねぇ。…だから、質問を変えることにした」


「いや、待って…佐野、私は」


「オレはお前を助けてぇ」


「…えっ、」


「だから、助けていい?」


「っ…」


「こいつら、ぶっ殺してもいい?」




これ以上はもう聞かねえ、答えろA。
そう言った佐野に何故だか、あんなに頑なに言えなかった漫画のヒロインのようなセリフが自然と口から飛び出した。





「…たすけ、て…佐野」

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設定タグ:佐野万次郎 , 東京卍リベンジャーズ , マイキー   
作品ジャンル:恋愛
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました!他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です! (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年8月2日 2時

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