… ページ19
「っ佐野！」
「………」
「ねえってば！佐野！！」
「……馬鹿、んなでかい声出さなくても、聞こえてるよ」
「っ！…あ、あんたの方こそ馬鹿なんじゃないの！早く逃げてよ、私のことは放っておいていいって言ったでしょ！早く三ツ谷くん連れて逃げて！」
「……三ツ谷は、大丈夫だ」
「は？何言って、」
「三ツ谷は、こんな奴にやられたりしねーよ。あいつ強えーもん」
倒れていた体を起こして「そうだろ、三ツ谷」なんて佐野は笑いながら言った。
こんな状況で笑ってる佐野はどう考えてもおかしかった。三ツ谷くんだって誰がどう見たって"大丈夫"なんて言える状態じゃない。「こんな奴にやられない」あんたはそう言うけど、"こんな奴"に三ツ谷くんはやられて、ついでにあんたもやられてんだよ。なんでそんなに余裕そうなの？なんで殴られてんのに笑ってるだけで何もしないの？本当に"こんな奴"って思ってんなら、あんたがこいつらぶっ飛ばしてよ。
「……おいおい、俺にやられててこんな奴呼ばわりかよ。一発も殴り返しもできねー奴がよく言うよ」
「駿…」
「おい、Aそこどけよ。東卍トップのその減らず口、二度と叩けねーようにしてやるからよ」
「…え、トップ…？」
トップ？トップって何？…暴走族のトップ？
駿は言った佐野のことを、東卍のトップだと。ってことは佐野は三ツ谷くんの
「っ佐野…」
「言っただろ。オレはお前が助けを求めない限りどうすることもできねぇって」
「……っ」
「お前が…Aが頼ってきたら…助けてって言うんだったらオレはここにいる奴ら全員殺すよ」
「……殺すって、」
「一人残らず全員、殺す」
そう言った佐野の目はマジだった。
さっきと目つきが全然違った。なんとなく前にも見たことある気がする。大きなその瞳は何も映さず、映させないと言わんばかりの漆黒さでその瞳に軽く身震いを覚えた。この人の言う"殺す"は脅し文句の類ではない気がした。本当に私が助けてと言えばここにいる全員を本気で殺してしまいそうな目をしていた。
「…お前はどうしたい？」
佐野にこの質問をされるのは２回目だ。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
