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「無敵のマイキーよー。この状況で帰れると思ってんの？」
「あ？」
「こんなとこにノコノコやってきて訳わかんねぇこと言いやがって。しかもなんだよコレ。こいつの制服？何でテメェがそんなもん持ってんだよ」
私たちに背を向け帰ろうとした佐野を引き止めたのは私でもなく、三ツ谷くんでもなく駿だった。
私が男子と絡むことを許さない駿は先ほどの話を聞き、佐野が私の制服を持っていたことに何かしら引っかかったようだった。私としてはこの際制服なんかどうでもいいから佐野に助けて欲しかった。けれど昨日の一件があってどうしても「助けて」の一言が言えない。言ったとしてもこの人数を相手に佐野一人で勝てるわけがない。三ツ谷くんのように巻き込んで被害者を増やすだけだ。そう思ったら喉の底まで出掛かった言葉を飲み込むことしか私には出来なかった。
「何でオレがクズの質問に答えなきゃなんねーんだよ」
「状況読めてねぇの？てめぇもこの女にちょっかいかけてんだったらそこに転がってるこいつと同じ目に遭わすぞ」
「……何言ってんだ？いつまでもAにちょっかいかけてんのはテメェだろ」
ドカッ
シンとしている空間に鈍い音が響く。
駿は佐野の台詞を聞いた後、佐野の顔を思いっきり殴りつけた。
「っ佐野！」
殴られた佐野の口の端からは血が流れていて、やばいと思った。このままでは佐野まで三ツ谷くんのように集団で暴行を食らってしまう。
「…やめて…」
バキッ！
「…もう、やめて……」
ドカっ！
「っ、もうやめてってば！駿！！！」
ドサッ！！
連続で殴られた佐野は最後に勢いのついた回し蹴りを顔面にくらい冷たいコンクリートの地面に叩きつけられた。「これが無敵のマイキー？」「なんだよ、全然弱えじゃん」そんな声が周りから聞こえてくる。この人たちの界隈で呼ばれている佐野の異名なんて知らない。無敵だか不死身だかそんなことはよく知らないけれど、この人もきっと無事では済まされないのは確定だった。馬鹿じゃないの。制服なんて今持って来なくてもよかったじゃん。本当にこの人今ここに何しに来たの。倒れている佐野を見ていてもたってもいられなくなる。この人が喧嘩が強いか弱いかなんて関係ない。とにかくこの場から早く出て行ってもらいたい。これ以上、彼らにやられる被害者を増やさないためにも。手は縛られていて自由は効かないが、まだ自由が効く足だけを使って立ち上がり佐野の側に駆け寄った。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
