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三ツ谷くんは言っていた。「付き合い長いオレたちですらマイキーの考えてることはわからない」と。
彼との交流の長いらしい三ツ谷くんがそう言うくらいだ、ほぼ昨日初めて絡んだだけの私がこの人のすること、しようとしてることを理解しようなんて無謀な話だった。不思議と佐野が私の前に立ち、私をじっと見つめている時間、周りにいた人たちも時が止まったように何も言わなければ行動も起こさなかった。
彼が助けに来たわけじゃないことだけはわかる。もし助けに来たんだったら、すぐに目の前の奴らと戦争が始まっているだろう。じゃあ何でここに？
その質問が口から出そうになった時、バサッと私の前に何かが投げられた。
え、なにこれ？…紙袋？
「エマが、」
「っえ…？」
「エマが言うんだ。謝ってこいって」
「……」
「どんなことがあっても女をあんな時間に置き去りにしたり、突き返すようなことすんなって」
「……え、何言って、」
「お前の制服、返してこないと家入れないっていうから持ってきた」
「…え、ちょっ、」
「三ツ谷に渡そうと思ったけど、待ち合わせ場所に三ツ谷いねぇし…だから直接来た」
ポツンポツンと小さい声で、まるで親に怒られた子供が拗ねたように話す佐野に私の頭の中はハテナでいっぱいだった。周りの人たちも、は？何言ってんのこいつみたいな顔をしている。三ツ谷くんに関しては呆れたように「今じゃなきゃだめかよ…」なんて声に出していた。
彼は空気を読めないタイプなんだろうか。
確かに昨日の件は、謝っていただきたい。無理矢理連れてきて置き去りにして、家から追い出して、彼の自由奔放すぎる行動に怒りを覚えたのは確かだった。けれど、エマちゃんに言われたからと言って謝るにしてもタイミングってもんがあるだろうが。見ればわかるでしょ？私は手縛られてて、あんたの仲間のはずの三ツ谷くんに至っては血だらけで超重症で。今はあんたの言う「謝る」タイミングじゃないんだよ。三ツ谷くんの言うように本当に今じゃなきゃそれだめ！？と彼に言いたかったけれど驚きすぎて声は出なかった。そんな私に「オレはちゃんと謝ったからな。制服も返した。じゃあな」そう言って私に背を向けた。
佐野万次郎
マジで頭いかれてる。
この状況でそれだけ言って普通帰る？
この状況で私たちを置いて普通帰る？
驚きも怒りも何もない。
彼に対して呆れるしかなかった。
しかも
あんた、まだ謝ってはないだろ。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
