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綺麗な金の髪を靡かせた彼は倉庫の入り口から一直線にこちらに向かってきた。カツカツと彼が歩く靴の音の中に「なんで無敵のマイキーがここに」「話とちげぇだろ」なんてさっきまでニヤついていた男達の声が聞こえ、その顔を見れば次第に強張っていくのがわかった。駿は小さく舌打ちした後「おい」と取り巻きの彼らに、行ってこいとでも言うかのように声をかけた。そんなやりとりがある中でも無気力そうな顔をしたまま彼はそのまま私たちに向かってくる。「遅ぇんだよ…」なんて言いながら辛そうな表情の中に笑みを浮かべる三ツ谷くんと堂々とこちらにやってくる佐野を見て、まさか…助けに来てくれた？そんな淡い期待が胸に広がった。
「おい、てめぇの出る幕じゃねぇんだよ」
駿に命令された取り巻きの一人は、たじろいながらも佐野の前に立った。その手には鉄パイプがあり思わず彼の名前を呼びそうになる。けれど…
ドサっ
「邪魔」
一瞬のことで何が起きたかわからなかった。
私がいる場所からだと佐野の前に立ちはだかった男のせいで佐野が見えず何をしたかわからない。けれど"何か"を佐野は彼にして、"何か"をされた彼はその場に倒れ込んだ。倒れ込んだ彼は立ち上がる様子もなく、佐野は佐野でそんな彼を無視して、なんなら倒れてる背中を踏みつけまた一歩一歩とこちらへ歩いてくる。
私たちを取り囲んでいた男たちは佐野が近づくと少しずつ円を広げるかのように後退り、道が開いた。
佐野はその開いた道を堂々と通り私の目前にいた駿の前で止まる。駿は小さく舌打ちした後に、佐野の肩を掴んだ。
「てめぇ、何勝手に割って入ってきてんだ」
「……」
「おい！てめぇに話しかけてんだよ！」
そんな怒鳴り声をあげる駿に対して、佐野はわざとらしいため息をついた。そして鋭い視線を駿にやり肩に乗った手を軽く
私の目の前に来た後は、手を縛られ床に座り込んでいる状態の私を静かに見下ろした。何を言うわけでもなくただじっと。普通こんな状態の私を見れば、三ツ谷くんのように怒りを露わにしたり、「大丈夫か！？」なんて心配する声を掛けたりそんな反応をするもんだと思ってた。けれど、彼は違う。怒るわけでも私を心配するわけでもなくただ無表情に私を見下ろすだけ。隣で倒れてる三ツ谷くんに対してすら彼は何の言葉も掛けない。
この人は何でここにいて、何をしにきたんだろう。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
