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鈍い音がしばらく続いた。それは三ツ谷くんがひたすらにこの大勢の人たちに暴行を加えられる音だった。私は彼の名前を呼ぶことしかできない。駿にやめてと何度頼んでも駿は笑うだけで三ツ谷くんへの暴行は止まらなかった。両腕を掴む男達が私を引きずるようにして三ツ谷くんがいるところまで連れて行く。倒れる三ツ谷くんの近くに体を投げ出されコンクリートと擦れて熱くなった腕が痛い。よく見てみると擦り傷のようになっていてうっすら血も出てきてる。けれど見上げた先にいる三ツ谷くんの方がもっと痛々しかった。見るからに重症だった。駿は私が泣きながら三ツ谷くんの名前を呼び彼を庇うように両手を広げたのが煩わしかったのか「この女黙らせろ」と一言言うと、駿の言いなりの彼らの一人が私の口をガムテープで塞ぎ、私を三ツ谷くんから引き剥がしついでに動けなくするように私の両手を後ろに回してロープで縛った。息がしづらくて苦しい。縛られた腕が痛い。怖かった。
動かなくなった三ツ谷くんももう抵抗なんてできないくらいボロボロなのに彼も同じように縛られた。
血だらけの三ツ谷くんの意識はもうないのか、彼は動かなかった。
「A、どう？コイツはこのまま殺すけどお前どうすんの？」
「っんー！！！んんん！」
「ハハッ！何言ってるかわかんねぇよ。俺の言う通りにする気になった？お前が俺から離れない、コイツや東卍の野郎どもと縁切りするっていうなら、三ツ谷はこのまま解放してやるよ」
ああ、そうか。私がこの後の将来を捨てて、この人の言いなりになれば済む話なんだ。
あれだけそれを嫌だと思い、駿と決着をつけたくて今ここにいたはずなのに、今三ツ谷くんを助ける術がそれしかないとするならば答えはもう決まってた。頷くしかなかった。駿はずるい。駿はひどい。こうすれば私が首を縦に振るしかないってわかってたんだ。悔しい、悔しいけど三ツ谷くんを見て思う。この人がこんなにやられなきゃならない理由はどこにもない。私と関わったせいでこうなってる。それなら…。
口を塞がられてるせいで声を出せない代わりに、「わかったからもう終わりにして」それを駿に伝えるためにブンブンと首を何度も縦に振った。目の前で私のその姿を楽しそうに見てる駿はサイコパスどころの話じゃなかった。
だからきっと私が頷かなきゃ本当に彼は三ツ谷くんを殺してしまう。この人が死ななくちゃいけない理由なんてない。
この人が死んでしまうなんて、考えたくない。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
