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まるでアクション映画のワンシーンの様だった。
実際殴る蹴るなどのガチ喧嘩を見たことはない。今目の前で起きている光景が妙に現実離れしすぎて彼らの全ての動きがスローモーションに見えた。三ツ谷くんは駿に向かって走っていき、また駿も拳を振り上げ三ツ谷くんに向かっていく。大きく振り上げた駿の拳は三ツ谷くん目掛けて振り下ろされた。だが、その駿の拳を余裕な表情で避けていくと駿のガラ空きだった顔を彼は一発殴る。そして一瞬怯んだ駿の腹を勢いよく蹴り飛ばした。彼の蹴りの威力が相当強かったのか駿はそのまま吹っ飛ばされ、近くに積み上げられた敷板に体を強く打ち付け倒れこんだ。
「Aさん、怪我は？」
駿が倒れたことを確認すると三ツ谷くんは未だに尻餅をつき動けずにいる私に手を差し伸べた。三ツ谷くんがこんなところにいることも、喧嘩がめちゃくちゃ強いことにも驚きすぎて声にならない。ぽかんとした表情で彼を見ることしかできなかった。そんな私に「遅くなってごめんな」そう言って三ツ谷くんは私の脇下に腕を入れ抱き上げるように私を立たせ制服についた砂をポンポンと払ってくれる。何この人、ヒーローすぎない？
「…な、なんでここに」
「その話は後で、な。Aさん、早くここから出ろ」
「え？でも」
「Aさんには悪いけどこれ以上雨宮と話し合いなんて出来っこない。そんなあぶねーことさせらんねー」
「…三ツ谷くん」
「言葉で通じねーなら拳でやるしかねぇ。ここはオレに任せてAさんは早くここから出ろ！」
そう言って彼は私の背中を押した。私のせいでこんなことになっているのにこの場から一人逃げるなんてできるわけなかった。けれど、さっきまでの自分を思い出す。私はここに来てから何をしたって言うのだろう。結論は、何にもできなかった。彼の言う通り言葉なんて通じなかった。そうなれば私がここにいることの方が彼の足枷となり邪魔をしてしまうかもしれない。三ツ谷くんの提案はいつも冷静で正しい。今回もそうだった。
「ほら、はやく」と私を急かす三ツ谷くんに小さく頷き倉庫の入り口まで走る。三ツ谷くんが果てしなく心配だけれど、とにかく私は早くここから出なくちゃ。扉まで大した距離じゃないのに蹴られたお腹に鈍痛を感じるせいで上手に走れない。後20m、10m…5m。一生懸命走り遂に扉の前まで来た。その時
「A！！！クソッ！…おい！お前ら出てこい」
駿の謎の号令が倉庫に響き渡った。
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knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
