… ページ2
「退いて！！！邪魔！！」
オレとマイキーの間を割って勢いよく入ってきたそいつはオレたちを手で押し退けながら怒鳴り声をあげると、人混みをかき分けて一目散に川岸まで向かっていく。その必死そうな横顔に一瞬ドキッとする。
そいつは岸ギリギリまで走っていくと突然履いていた靴や、セーラ服の上に来ていたカーディガンを脱ぎ体を軽くした。その行動をみて嫌な予感がする。
まさか、な…。すると同じ光景を見ていたマイキーは、彼女を追うように突然彼女の元まで走り出し今にも川に飛び入りそうな腕を掴んだ。「あ、おいマイキー！」慌てて2人の元にオレも駆けていった。
「…やめときな」
「っ邪魔しないで！」
「あんたがどうにかできる事じゃない」
「っうるさい！離して！早くしないと…！」
「死にてぇの？状況考えろよ危ねーって言って、」
恐らく川に飛び込む気であろう彼女を止めようとマイキーがそう言いかけた時、大雨の音や、勢いよく流れる川の音なんかに負けないくらいのでかい声がその場に響き渡った。彼女は叫んだ。マイキーを思いっきり睨みながら。
「危ないに決まってんでしょ！氾濫しそうなんだから！」
そんなことわかってんのよ！そう言ってマイキーが掴んでいた腕を振り払うと勢いよく川の中に入っていく。その姿にマイキーは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。
その場は騒然とした。オレの心もざわついた。
その場に一時の混乱を与えた彼女は一方的によく知った顔で、通う中学でやたらと名前をよく聞く奴だった。
AA
その名前を初めて聞いたのは、中学2年の時だった。
前日の遅くまで続いた喧嘩のせいか、朝から妹たちが喧嘩し始めたのを宥めていたせいかどちらがきっかけとなったのかはわからないけどとにかく疲れていて、学校に来てからずっと机に突っ伏したまま顔を上げることはなかった。
そんな中「マジかよー！！」という馬鹿でかい声でオレは起きる羽目となる。若干イラッとしながらもその声の主に顔を向ければ興奮気味に会話をする男子2人の姿があった。
「え、Aが雨宮と付き合い始めたってマジ話？」
「そうらしい。残念だったな、失恋お疲れ」
「うわ、ちょっと待ってダメージでかい」
「まーAってなんだろ、ちょっと高嶺の花感あったもんな」
「ほんとそれ。暗黙の了解でみんな何となくAにはいかないみたいな雰囲気あったのに」
「(…A？誰だそれ)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます！変換ミスしていましたね…読みづらく申し訳ございません。修正させていただきました！他も確認次第修正していきます。こんな小説にもったいないお言葉本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします。 (2021年8月2日 18時) (
レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 6ページなのですが、無償に ではなく 無性に ではないかなと、、、 余談ですが、お話好きなので完結まで着いていく所存です！ (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：柴咲華 | 作成日時：2021年8月2日 2時
