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彼と肩を並べて歩く帰り道。チラチラと感じる周りの視線に振り向けば、同じ制服を着た女の子たちが私たちを指差して何かこそこそ話してるのが見えた。
人気者の三ツ谷くんと一緒に帰るだなんて何だか悪かったな…。
あの後、私が三ツ谷くんに会いに行った理由を彼に話せば彼は一瞬キョトンとした顔をして「何だそんなことか」とつぶやいた。


「え?いいの」


「もちろん。断る理由なんかねえよ」


「わーよかったーー。手芸部の人に頼んでもよかったんだけど…三ツ谷くんが裁縫すごく得意って話だけ聞いたことあって、三ツ谷くんにお願いしたいなって思ってたから嬉しい」


「得意ってほどでもねぇけど、そういう環境で育ってきたからある程度だったら力になれると思うよ」


「私はお世辞にも手先は器用な方とはいえないし、手のかかる生徒ですけど本当に大丈夫ですか?先生」


「ハハッ!先生ナメんなよ?」


私の三ツ谷くんへの頼み事。それは手芸部の部長の彼にとっては容易い頼み事だったらしい。



「でも母の日に、お母さんにプレゼントで何か作りたいだなんてAさん親思いだな」


「全然!本当は買ってあげたかったんだけど、私のお小遣いで買えるものなんてたかが知れてるから」


「いや、お母さんもきっと喜ぶよ」


「喜んでもらえるレベルのもの作れるといいんだけどな」


「Aさんが手間暇かけて作るんだ、喜ぶに決まってる」


「そうかな?だとしたら嬉しいけど」


「まあオレもついてるし、安心してよ。そうと決まれば帰り俺の家寄れる?その手の本とか貸すからさある程度何作りたいかとか家で決めてきてよ」


いきなりの頼み事に対して二つ返事で引き受けてくれ、更には「プレゼント渡すまでにあまり時間ないだろ」なんて言いながら時間を無駄にしないよう段取りよく有難い提案をしてくれた。
今日心底三ツ谷くんに声をかけてよかったと思う。母のプレゼントのためもあるが、それよりも今まで話したことなかった三ツ谷くんとたくさん話せて、噂でしか知らなかった彼のことを少しでも知れて新しい友達ができたみたいで嬉しかった。そして彼は自分の思ってた以上に優しく頼りがいのある人で、彼にお願いしようと決めた時の自分にナイスと言ってあげたい。

彼にこんなお願い事をするだけでも十分甘えているが、せっかくの彼の提案に最後までしっかり甘えさせてもらおうと私は笑顔で「ありがとう」を返した。

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設定タグ:佐野万次郎 , 東京卍リベンジャーズ , マイキー   
作品ジャンル:恋愛
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時

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