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「あれーやっぱりいないな…」
午後の授業の間の休み時間の度に、うろうろして三ツ谷くんを探してみる。けれどクラスにも家庭科室にもいなくて、結局放課後になっても三ツ谷くんの姿は見当たらなかった。あんな深夜まで付き合わせてしまったのだからもしかしたら彼はお休みしたのかもしれない。もう一度ちゃんとお礼を言いたかったけど、今日は諦めて鞄を背負い廊下で待っていてくれたエリカを含む友人達と合流をした。
友人達は、直接口にして私に言っては来なかったが、どうやら最近の私の様子をずっと心配してくれていたらしかった。私が何も言わない以上は聞けないと、私がいない時に言っていたとエリカが教えてくれた。それを聞いた時は胸がちくりと痛んだ。
私を元気づけようと「今日は奮発してパフェでも食べに行こうよ」なんて明るく言ってくれる友人ら。
私はもしかしなくてもとても周りに恵まれてるような気がする。
「……A!」
みんなでどこのファミレスに行くかなんて話で盛り上がりながら昇降口に行き上履きからローファーへ履き替えていると少し焦ったような自分を呼ぶ声が聞こえた。
「え?私…?」
「…あ、ああ。俺、三ツ谷の友達で」
「三ツ谷くんの?」
「三ツ谷に伝言頼まれたんだ。16時に海下公園の第二倉庫に来て欲しいって」
「……三ツ谷くんが?」
「は?なんでそんなところに三ツ谷がAを呼び出すのよ」
「し、知らねーよ!俺は伝言預かっただけで」
「……」
「怪しすぎ!用があるなら直接三ツ谷が来なさいよ」
「だから俺に言うなって!」
「……」
「A行くことない!なんかこいつ怪しいよ!」
「……」
「A、聞いてる!?」
「……本当に三ツ谷くんが私を呼んだの?」
「!っ…あ、ああ」
「本当に本当なんだよね?」
「……も、もちろん…」
「ちょっと待ちなよ、A!絶対なんかおかしいって!」
「エリカ…ありがとう。でも、三ツ谷くんが呼んでるならしょうがないじゃん。ちょっと私行ってくる!」
そう言った私を全ての事情を知ってるエリカは全力で止めた。友人達は訳わからない様子で私とエリカのやりとりを見ている。「大丈夫だよ!きっと三ツ谷くんがいる!だから大丈夫」頑なに私を行かせないようにするエリカの手を心の中で謝りながら振り払い最後は強行突破だった。
「パフェ今度また誘ってね!」そう叫んで学校を後にした私の後ろ姿に、エリカの私を呼ぶ声が聞こえた。
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
累(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時