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「え、ちょっとA!それ大丈夫なの!?」
「うん、まあ一応…」
食い気味に聞いてきたエリカに曖昧に返事をする。結局あの後は三ツ谷くんに家まで送ってもらってそこで別れた。日付が変わった深夜の時間、ひっそり玄関を開けたところを、ちょうどお手洗いから出てきた母と鉢合わせた。もちろん、そこからは長時間のお説教を食らい私はかなりの寝不足だった。多少の仮眠をとってきちんと朝にはアラームで起きたけれど寝不足のせいで体がだるい。学校を休んでしまおうかと布団に再度潜り込んだ時、鬼の形相の母に「行きなさい」と言われ、現在学校のお昼休み中だ。昨日の出来事を掻い摘んで話せば彼女は眉間にグッと皺を寄せた。
「てかその、佐野だっけ?意地張らないで助けてもらえばよかったのに」
「…できないよ。駿も彼も暴走族だなんて聞いたら、私のことに首突っ込んで喧嘩になって欲しくない」
「とはいってもさ〜。…もし今話した話が本当なら尚更あんた1人で解決なんてマジで危ないって。怖すぎ」
「んーわかってる」
「三ツ谷でも佐野でも誰でもいいけど、どうにかして雨宮と縁を切らないと」
エリカにそう言われて、彼らに言われた言葉の数々を思い出す。実際私も首を絞められ殺されかけた。その状況で円満解決なんかできるわけないことくらいわかってた。
「あーなんか…心なしかスカート緩い気がする」
「てかA絶対痩せたよ。もうちょいふっくらしてたじゃん!」
「ふっくらって…失礼な。制服、あいつの家に置いてきちゃったからさ、お姉ちゃんが中学の時のやつ借りたの。当時のお姉ちゃんより私痩せてるんだ‥なんか優越感」
「そんなこと言ってる場合!?雨宮が豹変してから名前なんかげっそりしてるもん、ほら!」
そう言ってエリカはスカートのポケットに忍ばしていた手鏡を私に差し出した。流れで自分の顔を鏡越しに見る。げっそりしたと言うか…隈がやばい。女子として終わってる。
「ねー…今日って駿見かけたりした?」
「あ、そういや見てないや。いつも廊下からAのこと見張ってるのにね」
「やっぱり、きてないのか」
今日帰りにでも人気の多い場所に誘って話をしたかった。けれど、いないと聞いて少しホッとしている自分もいる。
「とにかく、雨宮と話す時は三ツ谷と佐野どちらか呼んだ方がいいよ」
何度も1人では危ないと私を説得するエリカにとりあえず、「んーー」とまた曖昧な返事を返した。
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
累(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時