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「Aさん、着いたよ!降りれる?」
三ツ谷くんに声をかけられ到着したのはもちろん佐野の家だった。
「ちょっと待って…どんな顔してこの家の敷居を跨いだらいいか」
「…敷居って、大袈裟だな。大丈夫だよ、ほらこっち」
三ツ谷くんに手招きされてとりあえず着いていく。見覚えがある倉庫っぽい建物の前に立ち、三ツ谷くんは戸を叩き「マイキー入るぞ」と声をかけ中に入った。中に入るなんて考えはまるでない私は未だにその場から動けず棒立ち状態。そんな私の腕を三ツ谷くんは苦笑いしながら引っ張り結局私も佐野の部屋へと入ることになった。
「ほら、マイキー。Aさん連れてきたぞ」
「………」
「………」
「マイキーなんとか言えよ。あんな場所に女の子置き去りにしてきたんだからよ」
「…三ツ谷、オレは別にここに連れてこいなんて言ってねーぞ」
「いやいや、お前さっきと言ってることちげーじゃねぇか」
「気が変わった。こいつの顔を見てたらムカついてきた。オレの部屋に入れるな」
「っ!」
「おいおい、それはねーだろ。お前が今日泊まらせるって言ったんだろ」
「は?何?オレに楯突くの?」
「そうじゃねぇって。今更Aさんだって、家帰れねーだろ」
「知るか。お前はなんでも1人で解決できるんだろ?だったら寝る場所くらい自分でなんとかしろ」
あぐらをかきながら深夜にも関わらずボリボリとポテチを食べながら偉そうにそんなことを言う男に、私の怒りのボルテージはもうMAXを遥かに超えていた。深夜に勝手に振り回し、私を置き去りにし、挙げ句の果てに三ツ谷くんを使うだけ使って、この物言い。前言撤回だ。こいつは全然優しくない。全く優しくない。ただの我儘クソ野郎じゃないか。
「…もういいよ、三ツ谷くん」
「Aさん?」
「私も気が変わった。あんたに世話になるなんて死んでも嫌」
「は?」
「私の顔見たくないんでしょ?私だって見たくないわよ」
「…お前、誰に向かって口聞いてんの?」
「は?誰ってあんたしかいないでしょ」
「……おい、殺されてぇのかよ」
「ちょっ、待て待て落ち着けよ2人とも」
抱えてたポテトチップスの袋をソファに叩きつけ佐野は立ち上がり私に詰め寄った。真っ黒な瞳で私を睨みつける佐野に若干怯みそうになりつつも私も負けじと睨み返す。そんな私たちを見て慌てて三ツ谷くんは仲介に入ろうとしてくれたけれど、我慢の限界がきた私の口は止まらない。
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
累(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時