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まだ駿とこうなる前の記憶を思い返すと優しい駿しか思い出せない。そんな彼がどんな状況であれ、倒れる私を置いて1人逃げるだなんて想像できなかった。けれど現実きっとそうなんだと思う。私が見てきた駿だったら私を置いて逃げるだなんて絶対にない。けれど最近の駿の私に対する行動の数々を考えれば佐野の言うことが本当なんだと思う。駿は私を置いていくわけないと声を大にして言えず、出会ったばかりの佐野のいうことを信じてしまっている自分に、もう本当に駿と終わりなんだということを改めて痛感した。


「で、お前はどうすんの?」


「…どうするって?」


「あの時お前があいつを庇わなければ、オレがあいつを殺して終わりだった。けどお前はあいつを庇ったんだ。お前が意識飛ばした後だって、逃げるあいつをとっ捕まえることなんてオレには簡単だった」


「ちょっ…殺すってそんな物騒な…」


「けどお前が体張って庇ったのに、オレがあいつ()ったらお前が体張った意味がなくなる」


「……」


「だからお前が助けを求めない限り、オレはどうすることもできない」


「……」


「A…お前はどうしたいんだよ」


「わ、私は……」


「どうしたい?」



シンプルに言ったら何もしなくてもいいというのが私の回答だ。やっぱりどう考えたって佐野を…三ツ谷くんを、関係ない人たちを巻き込んじゃいけない。これはあくまで私と駿の問題だ。その考えは当初からやっぱり変わらなかった。これが漫画のヒロインだったら可愛らしく、小さい体だけど後ろ姿はとても大きく頼もしいこの人に頼ったりするんだと思う。助けてなんて言い泣きながら抱きついたりして、そこで恋なんか生まれちゃって、読者がきゅんきゅんするようなラブストーリーに発展するんだと思う。だけど、私は漫画のヒロインなんかじゃない。ヒロインなんかになれるような女じゃない。頑固と言われようと可愛くないと言われようと、この人たちを巻き込みたくなかった。それを伝えると佐野はみるみるうちに不機嫌さを最大限に顔に出した。



「わかんねー奴だな…何でいまだに自分で解決できると思ってんだ」


「解決できるって思ってるわけじゃないけど、」


「はぁ…オレはお前はもう少し利口なタイプだと思ってた。そしたらとんだ身の程知らずのバカで残念だ」


「…は!?」


「あーとても残念だ」


「ちょっと、残念って、」


「もういい、勝手にしろバーカ。テメェなんか()られちまえ」

…→←…



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設定タグ:佐野万次郎 , 東京卍リベンジャーズ , マイキー   
作品ジャンル:恋愛
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時

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