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頬に冷たい何かが乗る感触がして目が覚めた。ゆっくり目を開けてみれば一番最初に視界に入ってきたのは見知らぬ天井と蛍光灯。見覚えのなさすぎる光景に動揺する。え…ここ、どこだ。
状況が理解できずとりあえず横になっていた体を起こそうとしてみれば、ジンジンと左頬は熱を帯び痛みを感じ口の中では鉄の味が広がった。そうだ、そういえば私は駿に殺されかけて、佐野万次郎というあの日出会った少年と今時珍しい辮髪の少年に助けられたんだ。だけど佐野万次郎が駿を殴ろうとした時、咄嗟に駿と彼の間に入って…そして彼の拳を受けたんだった。…そうだ、全部思い出した。




「っ!いっ、たい…」


「……あ、起きた?」



全てを思い出した時、不思議とあの時は感じなかった彼に殴られた時の感触が今更顔全体に響くように痛みとして出てきた。正直痛い。はちゃめちゃに痛い。痛すぎて咄嗟に抑えるように左頬に手を当てると、何かが頬に貼られてるのを感じる。キンキンに冷たいそれは大きさからして冷えピタだろうか。頬の痛みを誤魔化すように冷えピタを撫でていると横から突如声を投げられた。その声に、ギギギとロボットのようにゆっくり顔を向けてみる。



「…佐野…万次郎……?」


「何でフルネーム?万次郎でいいよ」


「…なんでっ」



ソファーに立膝ついて座る彼は、その立てた膝で頬杖をつきながら優しく私に微笑んだ。ここはどこで、何故私はこの人と同じ部屋にいる?あれから、私は…駿はどうなった?頭の中にはこの人に聞きたいことがいっぱいだった。いっぱいありすぎて何から聞いたらいいかわからない。色々聞きたいはずなのに色々と混乱しすぎて、頭の中はパンク寸前で聞きたかったことの一つも言葉に出たものはなかった。彼はそんな慌てふためく私を見て、フッと笑うとソファーから降り私が座っているベッドの方にやってきて腰掛けた。




「ここはオレの家」


「…え、?」


「あの後お前意識飛ばしたから、連れてきた」


「……っなんで、あなたの家に、」


「しょうがねえだろ、オレお前の家知らねーもん」



面倒臭そうにそう言って彼は私に手を伸ばした。その行動に目を瞑り咄嗟に顔を背けてしまう。まるで初めてあった時のようだった。けれど彼もまた初めて会った時と同じように私の左頬に手を添えるだけだった。冷えピタ越しに触れられてるというのに何故だかより一層頬に冷たさを増したように感じられ、熱を帯びている頬にはちょうど良い冷たさだった。

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設定タグ:佐野万次郎 , 東京卍リベンジャーズ , マイキー   
作品ジャンル:恋愛
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時

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