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ページ28

「っーー!ーーん!!」


「お前、なにやってんの?」



口元が塞がられてるせいで声が出せない。必死にもがいて声を出そうとしても私の声は彼には届かなかった。不気味に笑いながら私を見下ろす駿は、私の口元に当てていた手を離す。やっと呼吸ができるようになったのも束の間今度は私の首に手を当て締め付けた。



「っ!…く、くる、しい…」


「お前如きの人間が俺をコケにしやがって」


「っしゅ…ん……っ」


「人をバカにすんのも大概にしとけよ」


「…っ、……やめ、て」


「何回言ってもわからねぇなら、殺してやる」



「お前なんか殺してやるよ」そう言ってさらに込められた駿の力に、本格的に息ができなくなった。私の首を締め付けている駿の腕を引き離そうとしても、息ができなくてうまく手に力を入れられない。殺される。私の首を絞める彼の顔は本気だった。
目の前にある顔を見て自分は何てバカだったんだろうと思う。ただのDVとかじゃない。思い通りにいかなくてつい手が出るとかそんなレベルじゃない。駿は本気で私を殺しにきていた。本気で私を殺したがっているのが分かった。こんな人とまともに話し合いなんて無理な話だった。今更になってそんなことがわかってても殺されかけてる今もう何の意味もなかった。
一向に離れることない彼の手は緩まるどころかどんどん強くなっていき、何としても逃げなきゃと考えていた頭は息ができずに酸素が回らなくなったせいで、次第に何も考えられなくなり、全身の力はなくなり、引き離そうと彼の腕を必死に掴んでいた自分の手がぶらんと落ちたところで"もう終わった"そう思った。

人が生きていくのは大変だ。誰もがもがき苦しみながら必死に生きている。それなのに、人が死ぬときはこうもあっけないものなんだと思うとそれがあまりにも悲しくて、若干引っ込みかかっていた目に溜まった涙が頬を伝った。





その時、



バキッ!



目の前にいた駿が視界から消えたのと、感じていた首に当てられた手の感触がなくなるのと、突然吸い込めるようになった空気に上手く対応できなくなりむせ返すような感覚になったのと



そして駿がいなくなった代わりに金色の髪の毛が揺れる姿が視界に入ったのは、全て同時のことだった。

…→←…



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設定タグ:佐野万次郎 , 東京卍リベンジャーズ , マイキー   
作品ジャンル:恋愛
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時

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