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しばらく沈黙が続いた。彼女は正座の体制を崩さず、両膝の上に置いてある手を握りしめていた。よく見ればその手は少し震えている。「Aさんの為に何が出来る?」なんて彼女に投げかけたが正直彼女の回答がどんな回答でもオレのやることはもう決まっていて、Aさんの彼氏…雨宮駿をぶっ飛ばして彼女を解放させる。その一択だけだった。
「……何も、しなくていいよ。心配してくれるだけありがたい」
「…オレAさんがそんなやられてるって知って、黙ってるわけにはいかねーんだけど」
「………」
「知らねーかもしれねーけど、オレ"
「…そうなんだ。噂だけ聞いたこと、ある」
「なら話早えじゃん。オレは、雨宮をぶっ飛ばしてAさんを解放してぇ」
「三ツ谷くん」
「最悪はオレの仲間も協力してくれる。オレたちに全部まかせ、」
「…三ツ谷くん!」
少し張り詰めたような大きい声で彼女はオレの言葉を遮った。その後、
「…三ツ谷くんは、そんなことしないで…」
今にも消え入りそうな声で彼女はそう言った。
「…これは私の問題。あの人をああさせたのも私だから自分でどうにかする」
「……気持ちはわからなくねぇ。けどAさんだけでなんとかできる問題じゃねえよ」
「大丈夫だよ」
「大丈夫じゃねーだろ!大丈夫だったら、なんでAさんそんなアザだらけなんだよ」
「……」
「なんでそんな辛そうにしてんだよ」
「っ…それは、」
「知ってんだろ?…雨宮も暴走族のチームに入ってる」
「!!」
「1人で解決なんて無謀………って、え…知らなかった…のか?」
彼女は元々大きい目をさらに見開いた。その瞳が刹那に揺れたと思うと「……なにそれ…全く知らなかった…」彼女は薄く笑ってそう言った。オレが知る彼女はこんな風に笑う人じゃなかった。こんな無理矢理作った笑みを浮かべる人じゃ無い。彼女を見てなんとかしてやりたい。柄にもなくそんなことを思い、彼女の肩をがっちり掴んで俯いてた彼女の顔を上げさせ彼女と至近距離で目を合わせる。
「…この際、Aさんが知ってても知らなくても関係ねえ、わかっただろ。何されるかわかんねえよ。普通に言って話通じるかもわかんねぇ。今のAさん見たら、円満解決は無理だ絶対」
「っ、だけど…、」
「Aさんがオレを頼ってくれるなら…オレは…!」
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
累(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時