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「え、ちょっとまてよ、そんな赤くなるのはなしだろ」


「いや!違う…!違うの!あのそんな言ってもらえることないからちょっと、あの…動揺して…」


「ちょっ、Aさんにそんな顔されたらオレまで照れるから辞めてくれマジで」



三ツ谷くんに"美人"と言われたことで最大限に私は顔が真っ赤な状況だった。思わず頬に当てた手に熱を感じるのがわかり、必要以上に照れてしまっている自分がどうしようもなく恥ずかしい。三ツ谷くんは別に大した意味を込めていったわけじゃない、お世辞でいったただのリップサービスだ。けれど、わかってはいても普段言われないということ、プラス三ツ谷くんのような全てが完璧な人に言われるということ。照れるなと言う方が難しかった。




「…だめだよ、三ツ谷くん。そういうこと簡単に言ったら。女の子は単純なんだから勘違いしちゃう人だってきっといるから」


「いや、オレは思ったことをそのまま言っただけで…」


「ずるい人だね三ツ谷くんは。そういうとこだよ。あーもう、なんか暑い……」


パタパタと扇子のように、自分の手を振って仰いでみても感じた熱が冷める感覚はなかった。
不覚にもきゅんとしてしまったが彼にとっては女子にああいったことを言うのは何ともないことなんだと思う。わかってるはずなのに照れてしまった自分が本当に恥ずかしいし悔しい。




「…あ、ハンカチ悪かったな。汚しちまって」



私たちの間に流れるなんとも微妙な空気を三ツ谷くんは話題を変えることによって回避してくれた。



「全然。ちゃんとした消毒もできなくて申し訳ないくらいだよ」


「洗濯してからちゃんと返すよ」


「そんなのいつでも大丈夫。そんなことよりマナちゃん、ただ転んじゃっただけで怪我もそんなに大したことなくて本当によかったよ」


「あぁ、そのことなんだけど改めてちゃんと言わせてほしい」


「?」


「Aさん、本当にありがとうな」


「あいつ重かったろ?」三ツ谷くんは苦い笑みを浮かべながら言い、さっきまで私と遊ぶと豪語していた妹達に視線を向けた。いつのまにか疲れてしまったのか仲良さそうに寄り添って静かな寝息をたてている。そんな2人に三ツ谷くんは近くにあったタオルケットをかけると優しく頭を撫でてあげていた。


彼のその表情は今まで見た中で1番穏やかでとにかく優しかった。彼が妹達のことをどれ程大事にしているのかがわかる。優しい彼の表情に私も自然と口角が上がった。

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設定タグ:佐野万次郎 , 東京卍リベンジャーズ , マイキー   
作品ジャンル:恋愛
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時

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