検索窓
今日:6 hit、昨日:20 hit、合計:65,369 hit

002 ページ3

私に触れる冷たい彼の手が、腫れて熱を帯びている頬の体温を全て奪っているようだった。
ひんやりとしたその手の温度に、図らずも「気持ちよさ」を感じ、優しいその手に図らずも「安心感」を感じてしまう。そう図らずも。


「…な、なに言ってんの?」




「別れさせてやる」そう笑顔で言う彼に、絞り出した返答がそれだった。よくよく冷静になれば彼に聞きたいことは多かった。なぜ私に彼氏がいることを知っているのか。そしてその彼氏が彼の言葉を借りていうならば「クズ彼氏」だということを何故知っているのか。そして最初に私に言った「アンタみたいな女が何でクズみたいな男といるわけ?」というアンタみたいな女とはどういう意味なのか。聞きたいことは山ほどあったけど、"赤の他人"しかも初対面のクズ彼氏持ちのただの女に「別れさせてやる」という頼んでもないお節介の言葉。その言葉が1番パンチが効いてしまい、聞きたいことの数々は全部どこかに吹っ飛んでいった。



「は?ちゃんと聞いとけよな。オレがクズ男とお前を別れさせてやるって言ったんだ」


「そ、それは聞いてたけど!だからそれってどう言う意…」


「お前頭悪いね。そのまんまの意味だけど」


「そのまんまって!?ちょっとまって、何であなたが!?」


「だから興味本位だって」


興味本位という言葉を使えばそれでいいと思ってるのだろうか。見ず知らずの少年に、彼氏と別れさせると宣言されて、はいお願いしますとなる人がどこにいるのだろうか。いるのなら連れてきてほしい、そしてこのあり得ない展開を私が「なるほどね」と納得できるレベルの説明をお願いしたい。


「さっきから興味本位、興味本位って…何で見ず知らずの私に興味を抱くのよ」


「オレが興味あるって言ったらあるんだよ。グダグダいうなよ」


「意味わかんない、いったい何なのあなた…」


「オレ?オレは佐野万次郎」


「っちがう!名前なんか聞いてない!」


「あーちなみにお前は名乗らなくていいよ知ってるから」


「え…?」


「AAだろ」

…→←...



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
90人がお気に入り
設定タグ:佐野万次郎 , 東京卍リベンジャーズ , マイキー   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。