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「え"…マジか……」
思わず口から出てしまった。さっき泣いてたのが嘘のように私の背できゃっきゃとはしゃぐマナちゃんと、私のスカートの裾をちょこんとつまみながら歩き同じ様に楽しそうにはしゃぐルナちゃん。2人の可愛い姉妹に道案内されて歩く道中は、まだ記憶に新しい少し前に歩いたことのある道だった。今と違うのは隣に立っていたのがこの可愛らしい少女達ではなく、私より少しだけ背が高い短髪の少年だったってことだけだ。まさかね。その短髪の少年の家に向かった時と全く同じ道を歩いていることに途中で気づき嫌な予感はしていたが、そんな偶然あるわけないと首を横に振って現実逃避をする。ないないない、そんな偶然ないないない。
2人の姉妹は仲良く口の中で先程あげたいちごの飴をコロコロと転がしていた。嬉しそうな2人の表情に安心していたときふと"ルナマナ"という名前をどこかで聞いたことある気がしてモヤモヤする。なんだっけ?どこかで聞いたことがある気がする。歩いたことある道に、聞いたことあるはずなのにどこで聞いたかは思い出せない少女達の名前。歩幅が小さいルナちゃんに合わせて考えながら歩き続け、やっとたどり着いた年季の入った建物を見て自分のことを馬鹿だと思った。少女たちが誰のことなのか理解したが気づいた時には遅かった。どこか感じていた嫌な予感は的中。マジか、マジか、マジか。つい口から言葉から溢れてしまう。
【三ツ谷】と書かれた表札が目の前にあった。
マナちゃんが私の背に体を預けた状態で腕を伸ばしインターホンを押した。少し高めの呼び出し音が鳴ったかと思うと中から尋常じゃない足音でバタバタと慌てたように誰かが玄関に向かってくる音が聞こえる。きっと…いや絶対今はなるべく関わってはいけない彼だと思う。
バタン!!!!
「ルナ!?マナ!?………っえ、Aさん!?」
「三ツ谷くん…どうも」
「おにいちゃーん、ただいまー!」
「何でAさんがここに…って、おいマナ!なんだよその足!?」
そんな勢いでドアを開けたら壊れてしまうんじゃないかと思うくらい激しい力でドアを開けて家の中から飛び出してきた三ツ谷くんは、妹達といるはずのない私に状況が掴めず困惑そうであった。けれどすぐに私の背にいるマナちゃんの、ハンカチを当てられている足に気が付くと鋭い角度の眉毛を顰め強い目つきに変わる。
聞き覚えのある少女たちの名はこの人が愛してやまない大事な妹達の名前だった。
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
累(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時