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随分子供じみたことを言うんだなと思った。私の知る彼はどちらかと言うとクールであまり自分の気持ちを優先しようとはしない人。いつも私を優先してくれ出かけるとしても何でも「Aの行きたいところ行こう」「Aの食べたいもの食べよう」自分の感情や気持ち、わがままをあまり口にしない人だった。三ツ谷くんは君が思ってるような人じゃないんだよ。それをわかってもらいたくて言った言葉だったけどそれに対して彼は珍しく感情を露わにして声を荒げた。
私は姉と2人姉妹だけれど、よく姉と喧嘩をすると母は「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」と姉に言っていたことを思い出した。その度に姉は泣き喚きながら「いつもお母さんはAの味方ばっかり!お母さんは私よりAの方が好きなんだ!」そう声を荒げていた。駿がいう俺よりあいつを優先してとか、あいつの味方してという発言は幼少期の姉の発言によく似ていた。


「駿、ちょっと冷静になろう。確かに駿がいるのに男の子と2人きりとか軽率だったよね…それはごめん。だけど三ツ谷くんも私も何も思ってないよ」


「お前らがどう思ってるかなんて関係ねーんだよ!!」


駿はそういうと私の腕を強くひねるように握った。


「っ!ちょっ、痛い!痛いよ!」


「お前に俺の気持ちわかるのか?ただでさえあんな不良と一緒にいるってだけで心配なのに、周りに彼女浮気してるぞって言われて冷やかされて馬鹿にされて、俺の気持ち考えたことあんのかよ」


「っ…駿!ごめん、わかったっ、わかったよ。だから腕一回離して…?痛い!」


「2度とあいつと一緒にいないで」


強く私の目を睨みながら駿は言った。痛いと言っているのにも関わらず私のそんな声はガン無視でギシギシと骨の音が聞こえるのではないかと思うくらいまた強く腕に力が込められたのがわかった。私より少し大きい手に掴まれて振り解くにも解けなくて、何度も痛いという言葉を繰り返した。けれど、全く私の声に耳を傾けない彼は念を押すように「2度とあいつと一緒にいないで」先ほどと同じ言葉を繰り返した。


私を睨む強い視線と腕に感じている痛みから、初めて目の前にいるこの男の子を怖いと思う。デートの時に繋いでいた暖かくて優しい彼の手は今では人の温度も感じられないくらい冷たく感じられた。少し悲しい気持ちを覚えながら、彼の圧に思わず首をぶんぶん縦に振った。


すると彼はさっきまで掴んでいた手をゆっくり離し、「約束な!」今日1番の笑顔で笑った。

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設定タグ:佐野万次郎 , 東京卍リベンジャーズ , マイキー   
作品ジャンル:恋愛
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時

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