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「関係ねーよ。だから言ってんじゃん、興味本位で聞いただけ」
「…それなら答えません」
「は?」
「初対面のあなたに興味本位で聞かれて答える謂れはありません」
「…ふーん、なるほどね。アンタ可愛くないね」
彼はめんどくさそうにそういうと、私に1歩2歩と近づき手を伸ばした。キーキー鳴らして軽く漕いでいた私のブランコの鎖は彼が伸ばした手によって止められた。一言「うるせえ」という言葉を添えて。
先ほどよりも近くなった距離に近づいた彼を見上げれば、私を見下ろすその視線はどこか冷たい。
その圧に思わず生唾を飲み込んだ。その視線に似ているものを私は知っている。
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「何でお前は俺を裏切んの?」
「っ、あ、あの、ごめ…っ」
バキッ!
「っーーー!」
「…今度は一発じゃ済まさねーから」
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こういうのをフラッシュバックっていうのだろうか。
目の前の彼のその視線を見たとき、私の頭の中の何かと重なった。急にブランコの鎖を掴んでいた両手と、地を力強く踏み踏ん張る足はガタガタと震えた。
怖い…男の人は……怖い。
怖いと思いながらも、逸らすことができないその視線。ゆっくりと私の顔に向かって伸びてくるその手に咄嗟に強く目を瞑り限界まで顔を背けた。
殴られる。
そう思った。
けれど、予想していた衝撃も感触も何も感じられず、恐る恐る目を開けるとそこにはまだ一直線に上から私を見下ろす彼が伸ばした手をそのまま私の左頬にそっと添えた。
「っえ、」
「断言する。女に手かける男にろくな奴はいねー」
「オレが別れさせてやる」
「オレがお前を助けてやる」
そう言った彼の顔は、さっきの圧なんか感じられないくらい可愛く優しい笑顔だった。
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knnk99(プロフ) - 累さん» 累様 嬉しいコメントありがとうございます。佐野くんカッコ良すぎますよね…あんな闇を抱えた男前なんとかしてあげたくなっちゃいますよね笑 のんびり更新ですが気長にこれからもお付き合いいただけましたら幸いです。ありがとうございます! (2021年8月24日 1時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
累(プロフ) - 作品読ませて頂きました。続編はこれからですが、私もマイキー大好きなので、これからの夢主ちゃんとの絡み楽しみにしています。 (2021年8月21日 17時) (レス) id: 755be2d6bc (このIDを非表示/違反報告)
knnk99(プロフ) - 麗さん» 麗様 ご指摘ありがとうございます!気がつきませんでした( ; ; )修正させていただきました!教えていただき、またお読みいただきとっても嬉しいです!ありがとうございます(^ ^) (2021年8月2日 18時) (レス) id: d08a794dcd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 48ページ 一ヶ所名前変換が出来ていないところありました。 (2021年8月2日 18時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴咲華 | 作成日時:2021年7月17日 4時