【WT】歌のお兄さん家の猫【男主】 (ページ3)

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猫生活1日目ページ3

「え、誰！？」
「Aだよ。」
「Aなんて名前、俺の猫以外知らないんだけど……。」
「じゃあお前の猫のAなんじゃね？」

テンパる俺を他所にそいつは呑気にんーッと背中を伸ばす。

「いやおかしいだろ！猫が人になんて……」

勢いでつい会話してしまったけどまさかそんなことがあっていいのか……？

帰宅したらうちの猫が人間になってるなんてそんなこと。

「ねぇ、どうでもいいけど服貸してくんね？そろそろ寒いんだけど。」

俺の布団を被っていたせいて気づかなかったけど彼は裸の様だった。

まだ誰だか分からないけど裸の男と二人きりの状況の方が意味がわからないから、急いで適当にスウェットとパーカーをタンスから取って渡した。

そいつはスンスンと嗅いで「きんときの匂いだな。」なんてへらっと笑いながら言った。

「なんで名前知ってるの。」
「だから猫のAだって言ってるじゃん。」

確かに肝心の俺の猫は姿を見せないし、いつも俺にすり寄ってスンと鼻をすりつけているのだから匂いだって覚えるんだろう。

何より目の前の男は目が猫のAとそっくりだった。

「ほ、ほんとにAなの…？」
「そうだって。」

着た俺の服を匂いながらベッドに寝転ぶ姿はまるで猫だ。
現実的に考えてあり得ないけどたぶん信じるのが正解な気がしてきた。

「ね、俺お腹すいちゃった。ごはん食べよ。」

思考放棄。