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二回目に会ったのは彼が社長に就任したパーティーだった。彼は、加賀美インダストリアルの主な事業であった工業系の部門ではなく、ホビー部門の担当になったらしい。が、便宜上では、加賀美インダストリアルの社長、らしいので、そう名乗るらしい。
「本日は、私の社長就任パーティーにお越しいただき、誠にありがとうございます。まだまだ、未熟ではございますが、皆様のご期待に添えるよう、精一杯尽力させていただきます。ささやかではありますが、今夜はお楽しみください」
加賀美さんの開会の言葉を機に、会場は拍手に包まれ、和やかな雰囲気が流れ始めた。と思った瞬間だった。
ガシャン！！！
僕の真横をガラス製のガラスが高速で駆け抜け、後ろにあった壁にあたり大きな音を立てて割れた。
『ぇ？』
驚きすぎてつい、固まってしまった。周りが騒然とし、僕のことを多くの大人が見つめていた。
「瞬！大丈夫か？怪我はないか？」
僕が呆然としているとガラスが通ったのは反対側に立っていた父が顔を覗き込み、声をかけてきた。
『ぁ、はい。なんともありません、大丈夫ですよ、お父様』
「君！！なんということをしてくれたのかね？！」
僕が父に返事をするのに被せるように、男の人(後にわかったのだが、彼は加賀美さんのお父上だったらしい)がグラスを投げた女性に詰め寄っていた。僕のところにもたくさんの大人の人が来たけれど、その女性のところにはもっとたくさんの大人がいた。
女性は僕のことをキッと睨みつけて、口を開いた。
「あのガキが悪いのよ！！あいつが！！」
凄い剣幕だった。僕、あまり人には恨まれないタイプなんだけどな。と的はずれにも考えていた。
僕が黙っているのをどう解釈したのかはわからないが、僕は大人たちに連れられて控え室に来た。ここでしばらく待っていて？と女性(これも後から聞いたが加賀美さんのお母上だったらしい)がそう言い、僕は1人取り残された。ちなみに父はあの場に留まり、話をするとのことだった。
しばらくぼーっとしているとコンコンと突如扉を叩かれた。
「加賀美です。加賀美隼人です。入ってもよろしいでしょうか？」
『あ、はい。どうぞ』
「失礼します。っ瞬さん、大丈夫ですか？お怪我などは」
『ふふ、大丈夫ですよ。怪我も多分ありません』
「なんで、笑われてるのですか。ご自分がどんな状況だったかお分かりですか？」
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作者名：knn | 作成日時：2023年5月4日 21時
