月曜日21時のヒロイン【R.S】 (ページ8)

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ryuto

顔合わせが終わり、数日。

あのとき気付いたら綾瀬さんはいなくなっていた。
若手ナンバー1ともいわれる売れっ子女優さんだもん、
当たり前か、と思いながらイヤホンをして地下駐車場へ向かう。

携帯をいじりながら壁に寄りかかっていると
LINEの通知が何件か来ていた。

今日の撮影はグループで夕方からだ。

猪狩「作ちゃん、今日一緒に行こう」

最新のLINEの通知、ガリさんからだ。
ごめん皆、この仕事は制作発表が正式にあるまで
周りに言ったらいけないらしいんだ。

サプライズが好きな監督からのお達しだ。

「ごめん、今日別のとこから行くんだ」

何かすっげー意味深だなと頭の中で苦笑しながら
送信ボタンをタップする。

黒の車とすれ違うようにマネージャーが迎えに来る。

「どうだった？」

マネージャーと監督は共犯らしい。監督に吐かせた。
何か言ってやろうとマネージャーの顔を見るとニヤニヤしてる。

「ドラマ頑張ってね。」

軽く睨むとマネージャーはごめんごめんなんて笑っている。
今になって実感が湧いてくる。ドラマだ、月9だ、

もっともっとHiHiJetsを知ってもらえるチャンスだ、

これから始まる怒涛の日々もチャンスだと思うと
何故か楽しみになっていて、ワクワクが止まらない。