月曜日21時のヒロイン【R.S】 (ページ44)

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藤原さんに連れられて入ったバルは
隠れ家風で、お洒落で。

普段こんなところ来ない私は思わずテンションが上がる。

「すごく、お洒落ですね。」

「でしょ～！！！ここね、先輩に
教えてもらって、美味しいの！」

はしゃぐ藤原さんは年上のはずなのに
やっぱり大型犬っぽくて少し可愛い。

嫌いなものとかある？と確認され、
無いです、と答えると、
じゃあ適当に頼むね。とスムーズに注文を済ませていく。

さっきは大型犬みたいに見えたけど、
こういうところはやっぱり年上っぽい。
なんて、横顔を眺めながら思う。

「じゃあ、Aちゃん！
お疲れ様です～！」

コツンとグラスをぶつけ、乾杯をする。

「お疲れ様です。」

料理が続々と運ばれてきて、
シェアしながら食べると。

「……美味しい。」

「でしょ～！！！よかったぁ！
口に合わなかったらどうしようと
思ってたんだよねぇ～！」

へへへ、と笑う藤原さん。

それから、少しお酒も進み、
仕事の話をしたり、ドラマの話をしたり。

「…ねぇ、Aちゃん。
彼氏っているの…？」

お酒なのか、少し頬を紅潮させた
藤原さんが、遠慮がちに聞いてくる。

「……いないです…けど…。」

そっかぁ～…よかったぁ。と、
藤原さんは酔っ払ってきたのか、
フニャフニャ答える。

「Aちゃんは、俺の憧れなの。
はじめてテレビで見た時に、
めちゃくちゃ素敵な人だなぁって…。」

アルコールが回ると人って直球になるのかな。

あまりにも、ストレートに言われるから
照れくさくなっちゃって、俯く。

「…ごめんね。急に。
びっくりさせちゃった。」

俺、お手洗い行ってくるね！と
席を立つ藤原さんに
私は、何も言葉をかけられなかった。

.
.
.

お手洗いから藤原さんが帰ってきて、
もう帰ろっか！と声をかけられる。

タクシー止めよ～！なんて外に出る。

「あ、あの、お会計は…？」

「もう払ったから大丈夫だよ～！」

えっ、すみません！！！なんて
慌ててお財布を出そうとすると、
止められて。

「お礼は、また一緒にご飯食べてくれないかな…？」

私は、頷くことしか出来なかった。