月曜日21時のヒロイン【R.S】 (ページ26)

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ryuto

俺から袋を受け取り、中を見る綾瀬さん。

何故か、固まっている。

え！？もしかして嫌いだった！？！
勝手に1人で焦ってしまう。

いやいや、あんなに、見るからに落ち込んでた。
絶対、絶対甘いもの好きでしょ！？

「作間くん……。これは…？」

恐る恐る綾瀬さんが袋の口を開けて
俺に中身を見せてくれる。

ナニ？と思って袋を除く。

「！！！！！！！！」

シュークリーム…だった何かが袋の中に鎮座していた。

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あの時。

俺は、何度も何度もノックをしよう、と
昨日買ったシュークリームの袋を手に
綾瀬さんの楽屋の前を行き来していた。

やっっっぱり無理！！！
って、自分の楽屋に戻ろうとした時、

ガチャリと綾瀬さんの楽屋が開く。

ひぃぃぃ！！！出てきた！？

咄嗟に角に隠れると出てきたのは
綾瀬さんのマネージャーの工藤さん。

電話をしながらコツコツとヒールを鳴らし
早足でどこかへ行ってしまった。

……ってことは？

もしかして？もしかしなくても？

綾瀬さん1人だったりする…！？！

これはチャンス。作チャンス。
今しかない、作間、行こう！！！！

意を決して綾瀬さんの楽屋の前に行く。
深呼吸をする。ふぅ。

さぁ、ノックをしようと力を入れた瞬間。

バンッッ

「うおっ！！！！！」

顔面にドア直撃。いてててて。

「！？え！ごめんなさい！！！」

慌てた綾瀬さんの声がドアの後ろから聞こえる。

「だ、大丈夫ですか！？！ごめんなさい！！！」

綾瀬さんの顔が見える。
慌ててる姿、可愛い、なんて思ってしまったり。

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この時衝撃で気付かなかったけど今思い出した…。

ドアが開いてぶつかった瞬間、
俺は咄嗟にシュークリームを守ろうと
袋をギュッと抱きしめてしまっていた。

きっとその時に潰れてしまったんだろう。

「ああああ、シュークリーム…。」

思わず声が漏れる。

「これってもしかしてあのときシュークリーム食べ損ねた私のために…？」

「あの時、見ちゃったんです…落ち込んでるとこ…。
昨日ロケで行ったところに美味しそうなケーキ屋さんがあって。
もしよかったら一緒にどうかな……と思って。」

「でも！！！また買ってくるんで！！！！！」

綾瀬さんの手から袋を取ろうとする。

「ねぇ、お皿あるから、今食べない？」

まさか、まさかの展開だ。