月曜日21時のヒロイン【R.S】 (ページ23)

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ryuto

ロケ中、とあるケーキ屋さんに目が行く。

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ドラマの現場はたくさん差し入れがある。
甘党の俺にとってはスイーツ天国だ。

「作ちゃん！今日シュークリームあるよ！」

共演者の方が教えてくれる。
作間と言えば甘いものみたいになるまでに
打ち解けてきた。

俺のシーンが終わり、
まだ何かあるかなぁなんて差し入れを見に行く。

「シュークリーム…なくなってる…」

落胆の声と見覚えのある後ろ姿。綾瀬さんだ。
少し声をかけづらく離れた場所で待機する。

綾瀬さんにはまだ甘党なこと
知られてなかったりするかも、と
何故かかっこつけたがる自分が謎だ。

「食べたかった～…工藤さーん…！」

工藤さんに甘える綾瀬さん。
もしかして綾瀬さんも甘党だったりするのかなぁ。

笑いながら工藤さんが綾瀬さんの元へ行く。

「買ってこようか？」

くすくす笑いながら工藤さんが言うと
拗ねたように綾瀬さんはもういい、なんて。

絶対に現場では見ることの出来ない、
子供っぽい甘えた綾瀬さんがいた。

今声かけられるの、嫌だろうな、と
その場をあとにする。
これは俺だけの秘密、と思うと少しニヤけてきちゃう。

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あのあと綾瀬さん、甘いもの食べられたのかな？なんて、
ケーキ屋さんを眺めながらぼーっと考える。

「おーい？作ちゃん？？」

はしもっちゃんが俺の名前を呼んでることに気付き、急いで追い付く。

「作ちゃん甘いもの好きだもんねぇ」

よかった、色々考えてたのバレてないみたい。

決めた、あのケーキ屋さんに帰り寄ろう。
そして、綾瀬さんにあげよう、

でも、もらってくれるかな…。
要らないって言われたら！俺が食べるし！

頭の中で葛藤する、けど、
綾瀬さんが甘いの好きだったら
一緒に食べられたら、嬉しいな、なんて、
おこがましいかもしれないけど。

出来たらいいなって思うのはいいよね…？