▽ IS ▽ ページ27
" なんだ？ "
そう告げる瞳に向き合うレオナは
白と黒のツートンカラーの頭髪から顎まで見下ろすと、
あの日…
＿＿クルーウェルと対峙した時の事を思い出した
＿＿＿＿
＿＿
＿
「ｸﾞｯﾎﾞｰｲ、このクルーウェル様に傷をつけるとは、中々やるじゃないか。」
そんな感想がクルーウェルの部屋に響き渡り
見上げるように跪くレオナは、殺気を込めた瞳で鋭く睨み付ける。
「ｶﾞﾙﾙﾙﾙ…」
「ふふ、そう唸るな。
普段のお前ならば、もう二〜三発くらいは当てられただろう。」
そう言って教鞭を一振
レオナの拘束魔法を解くと、
目を細めながらレオナを見下ろすクルーウェル。
「…少し過保護すぎるぞ、キングスカラー。」
「あ？」
「先程も言ったが、お前はAの事になると普段の冷静さを欠く場合がある。
Aは、お前が思っている以上に強い女だ。
引き取られたとはいえ
あのレイファント家の鍛練をこなし、後継者候補の一人に数えられる実力
確かに精神面ではやや弱いところもあるが、この数年 アイツは一人でここまでやってきたんだ。」
そうして机に置いたままのAに関する報告書を破き、廃棄薬の壺に捨てると
「カム、脇腹を見せろ。
正当防衛とはいえ、生徒に手をあげたとバレたら後が面倒だからな。」
と人差し指でレオナを招いた。
「…ｹｯ、この程度のダメージどうってことねぇ。」
「そうやって強がるのはサバナクローの悪い癖だ。」
「ﾊｯ…、そこまでわかってんなら
「…なに？」
「テメーがAの味方なのはわかった。
…だがな、 Aは＿＿＿＿
＿
＿＿
＿＿＿＿＿＿
「Aは、強い女だ。」
「…ああ、」
「身に覚えの無い他者の身勝手に翻弄され、
陰口を言われ、
後ろ指をさされ、
それでもAは笑って全てを受けとめてきた。」
「……そうだな、」
そんなクルーウェルの言葉を最後に
形の良い上下の唇を合わせ、しばらく時が止まったように固まるレオナ。
「…おい、キングスカラー？」
そう、自分の名を呼ぶ声に再び顔を上げると
視線ははるか奥
クルーウェルを越えた向こう側に焦点を当て
レオナは優しく、そしてゆっくりと今まで腹の奥にに仕舞いこんだソレに手を伸ばすのだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
象牙 - 星猫さん» 星猫さん！コメント及び高評価ありがとうございました！明日から再び頑張っていきたいので、応援よろしくお願いいたします！ (2021年10月4日 1時) (
レス) id: fa12dc3108 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます！高評価しました！ (2021年10月3日 14時) (レス) @page5 id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
象牙 - なのは菜さん» なのは菜さまっ！この章でもコメントありがとうございます！ 説明文へのコメントも嬉しい…(嬉) お優しい言葉を糧に最後まで頑張ってきますね！ (2021年10月3日 0時) (レス) id: fa12dc3108 (このIDを非表示/違反報告)
なのは菜 - 続編おめでとうございます！お"お"んっ！夢主ちゃん…っ、いつもの姿に戻ってぇ…オバブロは辛いよ(泣) オルトくん！その意味不な発言やめてもろて！ 体調に気をつけて更新、頑張って下さい！応援してます！ (2021年10月2日 15時) (レス) id: 8019e5d7e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：象牙 | 作成日時：2021年10月2日 5時
