story2 叶 ページ5
「ｷﾞｬｰｰ!!!ﾋｬﾋｬﾋｬﾋｬﾋｬ!!wwwwwwwwwww」
ﾄﾞﾝ!ﾄﾞﾝ!ﾄﾞﾝ(台パン)
隣の部屋から鼓膜が破れるんじゃないかと思うレベルの声量で笑う叶。
楽しそうで何よりだけど、
最近私にかまってくれない。
寂しい。
前までは毎日毎日キスとハグをしてくれた。
でも、今では私をほったらかしにしてゲームと配信ばかりの日々。
配信とゲームをするのがお仕事、で今まではわりきっていた。我慢してた。辛くて泣きそうな日も、慰めてほしいときも、体調が悪いときも、甘えたいときも。我慢の限界。甘えたい。 そう思ったときにはもう行動に移していた。
ぎゅーーーー
無言で叶のことを抱きしめる。
叶はとっさにマイクをミュートにして、
「どーしたの？」
といつもの甘くて優しい声で聞いた。
「…………」
無言を貫く私。無言の間、叶を抱きしめる力はどんどん弱くなっていく。安心する叶の匂いがする。
「ぼく、なんかした…？」
悲しげな目で私を見つめる叶。
気まずい空気が流れる。
「なんかしてるよ…」
小さな声で返答する。
続けて
「最近配信とゲームばっかりでぜーんぜんかまってくれない!寂しい…」
「そっか…ごめんね、いつもはあなたから甘えてくるのに最近甘えてこなくなったから嫌われちゃったのかと思って……」
叶が私のことをぎゅーっと抱きしめる。
あったかい。叶の心臓の音がする。
「配信とゲームが仕事なのはわかってるけど、これからはちょっとくらいかまって…？」
唐突な上目遣いにきゅんとする叶。
「たーくさんかまってあげる。
でも、夜は寝かせないからね…？」
next→story2 剣持刀也
2022.11.14深夜、または11.15夕方頃更新予定
続く (更新停止中)
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作者名：市瀬るな | 作成日時：2022年11月14日 0時
