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「この字前にも見た事ある」
急いで自分の部屋に行き机の上にあったファイルを漁る
「あった…」
学校の行事予定が書いてあるプリント
そこに1部間違いがあったらしく、修正してある
そこに書いてある文字と"ひま"という文字の字体が全く同じ…
このプリントが届けられた日、電話で先生から直接間違いがあったと教えられた
「これはく、いや、名前言っても分かんないか。原の家に毎回封筒届けてるやつが修正してくれてるらしいけど、直ってるか?」
つまりこの"ひま"という字はその例の男の子が書いた文字
これ、なんか書いた方がいいのかな…
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お風呂から上がり、ドライヤーが終わった後もう一度封筒を手に取った
「え、返事、どうしよ」
実はお風呂の中でもずっと悩んでいた
別に私に何か聞いてる訳じゃないんだから返事なんて必要ないんじゃないか
でももし私に言ってたら?…
でも"ひま"って…ただの落書きでしかない
返事してこいつきも、とか思われるかもしれない
もう届けてくれなくなるかもしれない
「ん〜どうしよう…」
.
「よし…」
月曜日
現在の時刻は朝の7:00
今私は家のポストの前にいる
「ま、いいか。どうせ直接話すこともないだろうし」
封筒をポストに入れ、小走りで家に戻った
−お疲れ様です −
悩んだ挙句、正方形の付箋にこう書いて封筒に貼ることにした
授業とか、家にわざわざ届けてくれてる事に対しての言葉
ひま、からのお疲れ様ですはあんまり会話になってない気がするけど…
でも頑張ってください、だとなんか上から目線な気がするし
別に私に言った訳ではないにしても、いつかは日頃の感謝を伝えたいと思ってたし
ただ、きもいと思われない事を願うばかりだな
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作者名:高菜 x他1人 | 作成日時:2023年1月22日 23時