不登校少女と無気力少年【国見英】 (ページ12)

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初対面？ページ12

次の日、ノートをポストに入れようとした時、ポストの汚れが気になったから雑巾を取りに家に戻った

こういうのって、1回気になっちゃうと徹底的に綺麗にしたくなるんだよね

雑巾をもって外に出た時、ポストの前に誰かいるのが見えた

「やばいっ」

私は急いで木の後ろに隠れた

徐々に心拍数が上がっていく

もしかしてあれは……

自分を見られたくない気持ちと、彼を見たい気持ちが私の中でせめぎ合う

私はポストが見える位置に行こうと音を立てないようにゆっくりと動いた

…やっぱり、欲望には勝てない

あとちょっとで見える、という位置に行けた瞬間、ポストの前にいた人影が動くのが見えた

初めて見る、彼の姿

どんな髪型なのかな、身長はどのくらい？

私はもうすぐ見えるだろう彼の姿に釘付けになっていた

「……あ」

「あら、Aちゃん。おはよう。今日もいい天気らしいわよ」

「おばちゃん…おはようございます。洗濯日和ですね…」

そこに居たのは例の彼…ではなく、よく野菜をお裾分けしてくれる近所のおばちゃんだった

「雑巾もって、お掃除中だった？偉いわね〜朝から」

「そ、そうなんですよ〜」

私はそう言いながら近くにあったほうきを手に取った

「おばちゃんも家に帰って掃除しようかしらね。
あら、おはよう。今から学校？」

心の中で期待しすぎていた自分が恥ずかしすぎて俯いていたけど、おばちゃんの私以外の誰かに向けた挨拶が聞こえ顔を上げた

「誰が来たんだろう………え、学校？」

遅れて聞こえてきた"学校"という言葉

「どうも。あ、この前の野菜ありがとうございました。母が感動してました」

ご本人登場ですか…