交換日記 ページ11
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− 封筒の中に入ってる小さいノート！
これからずっとメモでっていうのは…と思って
これからはそのノートで会話するのはどうでしょうか −
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あぁ…書いてしまった…
この前おじさんの付き添いで文房具屋に行った時に見つけた小さいノート
家にある付箋がもう無くなってきてるしこの機会だからノートにしちゃおうと思い勢いで買っちゃったけど、
彼に気持ち悪いと思われないだろうか…
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− おーめっちゃいいじゃんそれ
本格的に交換日記って感じ −
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よかった…
交換日記か
たしかに今までは交換日記とは言えなかった
1番最初なんてただの落書きだったし
やっと落書きから交換日記に昇格した
鏡を見なくても今の自分がニヤついてるのがわかった
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− じゃあ今日からはこれで！
改めてよろしく −
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月曜日、ノートの1ページ目にそう書いて封筒と一緒にポストに入れた
・
「これポストに入ってたけど、この前Aちゃんが買ってたノートじゃない？」
仕事から帰ってきたおじさんの手には、今日の朝ポストに入れたばかりの例のノートがあった
「あれ、学校に持っていくの忘れちゃったのかな…」
「封筒はなかったよ。そのノートだけがあった」
「……そっか、ありがと」
「ん、大丈夫？」
「うん。ちょっと先ご飯食べてて。このノート部屋に持って行ってくる」
「わかった」
・
自分の部屋に着きゆっくりとベットにダイブした
ノートだけ残ってたってことは、たぶん交換日記を拒否された、ということ
ただノートだけ取るのを忘れてた可能性もあるけど、わざわざそんな事する人じゃない
「うわぁーまじか……」
目頭が徐々に熱くなる
こんなに気分が沈むくらい私はあの男の子との会話を楽しんでいたのか…
たかが交換日記なのに、期待してしまっていた自分が恥ずかしい
ベットから降りてゴミ箱の前に立つ
「……捨てるのは勿体ないか。」
まだ私の文字が１ページ目に書かれているだけでそこを切り取ればほぼ新品のノートだ
勉強にでも使おう
「そういえば、わたし今日なんて書いたんだっけ」
１ページ、ノートをめくる
「…！」
私の文字の下には、朝はなかった見覚えのある文字があった
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− うん。よろしく
これで毎日原と話せる −
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「……ずるい」
私はその場に座り込み、持っていたノートを抱きしめた
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作者名：高菜 x他1人 | 作成日時：2023年1月22日 23時
