66.試練 ページ27
「っ…あﾞあﾞあﾞああぁぁっ！！！！」
悲痛な男の叫びが響いた。
痛み、苦しみ、悲しみ、嘆き……ありとあらゆる感情の嵐が彼の中で渦巻き、叫びと化す。
誰であろう――――メリオダスである。
「ザネリ様っ！メリオダス様は一体、どうしてしまわれたのですか！？メリオダス様がこんなに苦しむ姿を私は、見たことがありません…っ」
額に大量の汗をかき、浅く苦しそうで不安定な呼吸をするメリオダス。エリザベスは彼のそばに寄り、その根元を作ったザネリへ答えを求めた。
彼女は言う―――【地獄】だと。
愛しい者たちとの出会いと、悲惨な別れ。それを幾百幾千と繰り返しているのだ。
力を戻したところでまた怒りに呑まれ、暴走しては意味がない。これはメリオダスの感情を消す…
否、殺すための試練である。
「メリオダスはなくならない」
それを否定するかの如く、魂のみの彼女は言った。ろくに身体もないのに、目と声だけは勇ましい。
エリザベスとザネリは驚いたように彼女を見張った。
「……もちろん、私もね」
厳しい目つきから一変。いつもの、エリザベスを安心させる柔らかな笑みを浮かべる彼女がそこにいた。
二つの言葉は当てずっぽうでも強がりでもなんでもない。確たる自信に満ちていた。
「てことで、私も試練やらせてよ」
*
前提としてAの魂、意識を身体に戻す必要があった。だから今の彼女は意識も眠らされ、そのまま体内に戻され、試練が始まる。
意識を失い、地面に落ちそうになった女神の琥珀をエリザベスは慌てて受け止めた。本当に壊れ物を扱うようにしないと。一欠片でも落としたら試練どころではなくやってしまう。
受け止めた直後、琥珀はふよふよと浮きながらそばに横たわっているAの身体の上で止まった。
そして吸い込まれるようにAの魂が、体内へと還っていった。
「………んぅ……あれ？」
さて、彼女は何を得るのでしょう。
彼女は彼女として帰れるでしょうか。
彼女は、彼女を愛せるでしょうか。
「メリオダス？…エリザベス？」
今から、【貴方自身】は独りです。
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リオ(プロフ) - ウォンさん» お久しぶりー！ありがとうね〜！！ (2020年7月9日 21時) (
レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
ウォン(プロフ) - りおちゃん！！、！久しぶり！！私もまだ生きてます！応援してるね！！ (2020年7月9日 11時) (レス) id: 76603ce61b (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - 瑞樹さん» ゆっくりですけど、また書けていけたらいいなと思います。 (2020年7月9日 7時) (レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - まさかまた戻ったきてくれたなんて………！これからも応援してます！ (2020年7月8日 21時) (レス) id: fb3dbf3e6d (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - みかやしさん» ありがとうございます。本当にもう、気長に待っていてください… (2020年7月8日 20時) (レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rio1001/
作成日時：2018年7月6日 15時
