56.偽りと真実 ページ17
息が出来ない。こんなにも弱ったいたのか。
蹴ろうとも剣を突き立てようとも。どんなに足掻いても俺の首を掴む手は緩むことはなかった。
ガランの反対の手には苦しそうに顔を歪めるA。
やめろ。離せ。傷つけるな。
助けないと。でも俺に何ができる？この弱っちい体で。抜け出せないくせに。
真っ直ぐガランへ走るディアンヌ。体の大きさは戻り、ギデオンを大きく振るう。
しかし、その倍の勢いで蹴り返された。
額に見える少量の血が重症さを実感させる。
状況が悪いと判断し、マーリンの“瞬間移動”で一時的にガランを遠ざけた。だがそれは違っていて、ガラン自身が魔力の届かない場所に移動したに過ぎないのだ。
解放された事により脳が酸素を要求する。咳き込みながら息を整え、あいつのそばに寄った。
「っ…A…！」
「ッ…ゲホッ…う…っ私より、ディアンヌが…っ」
奥に目をやると痛みに苦しむディアンヌの姿。
俺からすればどちらも重傷だ。今すぐにでも安静にさせなければならない。
けれど、そんな時間はくれないようだ。
「お前さんのような小賢しい魔術師が一番嫌いなんじゃよ…儂は」
再び現れたガランはマーリンの背後へ。
彼女を庇おうとしたスレイダーは圧倒されて吹き飛ばされる。
そしてマーリンはある行動をとった。
面ではガランを含む〈十戒〉の要求に応えると。
裏では全員を救う方法を考えながら。
しかしそれは…
「お主」
ガランに対する最悪の選択だ。
「うそをついたな」
彼女は、石と化した。
周りのやつらは目を疑う。訳がわからないといった者もいた。
ガランの前で「偽り」を口にする者は、
それが魔神王から授けられたガランの戒言。
――――〈真実〉。
魔神化して剣を下ろしても、回り込んでも、隙をつこうとしても。やつはビクともしない。
両腕を切り落とされ俺はまた倒れる。
エリザベスの叫び声や、ホークの焦る声が聞こえる。
…このままじゃ全滅する。
「こうなりゃ、やるしかねぇか…」
マーリンの術が効いてる今なら。制御ができるかもしれない。
いや、やるしかない。
身体中に痣が纏わりつく。瞳が、心が闇に呑まれそうになる感覚が襲う。
「ありゃ、喧嘩祭りん時の…！」
「メリオダス…」
俺は今、ちゃんと俺でいられているだろうか。
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リオ(プロフ) - ウォンさん» お久しぶりー！ありがとうね〜！！ (2020年7月9日 21時) (
レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
ウォン(プロフ) - りおちゃん！！、！久しぶり！！私もまだ生きてます！応援してるね！！ (2020年7月9日 11時) (レス) id: 76603ce61b (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - 瑞樹さん» ゆっくりですけど、また書けていけたらいいなと思います。 (2020年7月9日 7時) (レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
瑞樹(プロフ) - まさかまた戻ったきてくれたなんて………！これからも応援してます！ (2020年7月8日 21時) (レス) id: fb3dbf3e6d (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - みかやしさん» ありがとうございます。本当にもう、気長に待っていてください… (2020年7月8日 20時) (レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リオ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rio1001/
作成日時：2018年7月6日 15時
